東京⇒大阪キャノンボール2022(秋)【本編】
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東京⇒大阪キャノンボール2022(秋)【プロローグ】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
東京日本橋の国道1号道路元標でキャノンボールのスタートを待つ。
ここをスタート地点として走り始めるのは、2019年9月のTOキャノボ以来なので約3年ぶり。
キャノンボールに挑むにあたり3年前の心境とは全く違うがワクワクした気持ちの高鳴りは同じである。大きく違う点は不安感の無さである。
これまでのキャノンボールだと初回のTO時は初めての挑戦ということもあり自分の中での達成の勝機は良くて五分五分くらいであった。500kmオーバーを24時間以内で走った経験は数回あったがルート自体ほぼ初見であったため不透明な要素がたくさんあったので不安も大きかった。
2度目のOT時はクラシックルートということで距離が約545kmであったため、トラブル等の要素がなければ達成できそうだが走ってみないと分からない部分も多く達成予想は6割くらいであった。ただ初回と比べて経験値が増していたので自信を持って挑めていたのはよく覚えている。
そして今回の3回目は、過去2回挑戦し達成した自信と経験があったので走るルートと距離的なものも含めて考えると自分の中での達成確率は8~9割くらいはあったと思う。ただキャノンボールの難しさは前回のR9でも強く感じているので油断するような自信ではなく、良い意味で余裕を持って挑めている感じである。
今回のキャノボはポジティブな要素が多く、『とにかく楽しみながら走る』を頭に入れて走れそうなイメージが強くできている。
リラックスした状態で時刻もスタート予定の『AM6:00』になり、信号がちょうど青になったので見送りに来てくださった方々に「いってきます」と手を振って大阪に向けて走り出す。
●キャノンボールスタート
国道1号の起点をスタートし走り始める。
半年前にゴールだった地点。3年前に初キャノンボールでスタートした地点。色んな思いを胸に3度目のキャノンボールをスタート。
時刻はAM6時で空がちょうど明るくなり始めたところ。
この時刻でも東京都内の交通量は思っていた以上にある。
スタートした直後で気持ちに焦りはないし身体はフレッシュとはいえ、これまでの経験があるのでどんなペースで走ればいいのか把握ができている。そのため良い意味でマイペースで走ることができる。
皇居横を通過中の信号待ちに朝焼けが綺麗だったので写真を撮る。
東京都内の信号峠を安全第一で走り抜け多摩川を渡り神奈川県に突入。
時刻はAM7時でちょうど1時間が経過。
今回の決め事にしていた『1時間毎に経過をツイートする』の最初のツイートをする。
1時間経過。走行距離は18km弱。グロスはそのまま18km。
思った以上に進むことができていないので、これが初挑戦であったら焦ってペースアップを考えたりしそうだが、今回は焦りはほぼない。
この信号峠でのグロス18kmですら、ネタとして楽しもうと思えている。
神奈川県に入り細かなアップダウンと都内と変わらないような信号の繰り返しで、事前に聞いていたR246の情報どおりのルートを進んでいく。
2時間経過。走行距離は約37km。1時間の走行は約19km。ここまでのグロスは18.5km。
ツイートしているように今回はキャノボを楽しむために信号ストップ時にはTwitterをチェックして気持ちを前向きに保つようにしている。
そして補給も定期的に口に入れながら走っている。今回の補給事情は基本的には携帯している補給物資を走りながら食べるようにしている。袋の開封など走りながらで難しいものは信号ストップで行う。持って走る補給はパンやおにぎりを5個ぐらいとドリンクはボトル1本に水とそれとは別でペットボトルでジュース等を背中のポケットに入れて走っている。
補給物資の補充は無くなりそうなタイミングを見てコンビニストップで買うように考えている。私は補給食の種類や銘柄を決め打ちしていないので、入ったコンビニでパンやおにぎりで携行しやすく美味しそうなものをササっと選ぶようにしている。その場で消費するのはヨーグルトやプリン、野菜ジュースを一瞬で消費する感じである。
作戦としては定番であるが、極力コンビニストップ回数を減らすことと滞在時間を抑えることを考えている。
3時間経過。走行距離は約62km。1時間の走行は約25km。ここまでのグロスは20.6km。
ようやく信号も少なくなりペースを上げて走ることができ、グロスも上がってきた。
この3時間経過のツイート時刻も『AM9:23』ということを考えると、信号にかからず前に進めているのがよく分かる。
ちなみにこのツイートの10分前に富士山を見つけて記念撮影をしているので、気分良く楽しみながら走れている。
R246を自転車で走るのは初めてで、情報としては箱根の北側を走り御殿場を抜けて沼津でR1に合流するは知っているが、富士山が見えるという意識は全くなかった。そこに来てこの快晴で富士山がくっきり見える状態で走ることができているので、これ以上ないほどの楽しさである。
広島に住んでいたら富士山を見る機会が少ないのでありがたみがデカいです。
4時間経過。走行距離は約86km。1時間の走行は約24km。ここまでのグロスは21.5km。
御殿場に向けてダラダラとした登りを進んでいる区間。
平日でトラックが多いが道はきれいなので悪くないペースで走れている。風向きはここまで微風でやや追い風気味。
少しして静岡県に突入。つい先日広島から浜松まで自転車で走ったので2週間ぶりの静岡県である。
そして今回のルートで最高地点がある御殿場に到着。
時刻は11時ごろということで、気温も20℃近くありかなり走りやすい。
5時間経過。走行距離は約107km。1時間の走行は約21km。ここまでのグロスは21.4km。
この1時間はほぼ登り区間だったのでペースを上げることができていないが、富士山を見ながら走れているので気持ち的にかなり楽しく走ることができている。
6時間経過。走行距離は約131km。1時間の走行は約24km。ここまでのグロスは21.8km。
御殿場から沼津まではずっと下り区間。富士山を右手に見ながら気持ちよく走れているが、R246から1本海側の道を走っていて思ったほどスピードに乗れなかったのと、1ヵ所ルートミスをしてしまいペースを上げきれなかった。
ここから少ししてパワーメーターの電池が切れてしまい、パワー表示がされなくなってします。走っている最中はパワメの数値が無くても大きな問題ではないのでそのまま走り続ける。
7時間経過。走行距離は約159km。1時間の走行は約28km。ここまでのグロスは22.7km。
この区間はほとんど平坦で追い風もいい感じで吹いていたのでペースも上がりいい感じで走れている。
ここまでほぼ無理な走りはしていないがグロスも戻ってきて良い感じである。
しかし、先ほど電池切れしたパワメのことで走行中のペースの指標となる部分もあるが自分として大事なのは走り終えた後のデータとしてパワー値が残っていた方が今後のチャレンジへの分析や参考データとして活用できるのでやはり電池交換をしたいと思い始めていた。
食料はまだ余裕があったのでコンビニストップはまだまだ先で考えていたが、電池調達を兼ねてコンビニに寄ることに。
私のパワメはガーミンのペダル型で、『LR44』の電池が片方につき2個必要なので、両側で4個の電池が必要となる。確実にゲットするため在庫的にセブンイレブンが良いと考え、左側に現れたセブンイレブンに入ったのだが電池の在庫が2個しかなかった。
仕方なく補給物資と一緒に2個の電池を購入して、片側だけ電池交換を済ませる。
そのあとに寄ったコンビニがファミリーマートだったがここには在庫なし。続いてセブンイレブンを見つけてようやく電池を2個追加で購入できもう片方の電池交換も完了。
パワーメーターの表示も無事に確認できようやく再び気持ちよく走れるようになる。
8時間経過。走行距離は約178km。1時間の走行は約19km。ここまでのグロスは22.2km。
コンビニストップの影響もあり少しペースダウンしたが問題があるレベルではないので引き続きマイペースを維持。
静岡市の街中に入り信号が増えてきたが、前回通過時は暗かったので違う景色を楽しみながら先へ進む。
宇津ノ谷峠へのアプローチもしっかりケアしながら問題なくクリア
9時間経過。走行距離は約201km。1時間の走行は約23km。ここまでのグロスは22.3km。
藤枝市内を通過中。このあたりの信号ストップでは下半身のストレッチも欠かさず行っている。
まだ疲れているわけではないが、できるだけ疲労を溜めないように工夫をする。
中ボス的存在の金谷峠も問題なくクリア。過去2回写真を撮ったことがなかったので頂上にあるそれらしきホテルで記念撮影を撮る。
Twitterでも『はやとさん』のホテルネタを確認して楽しみながら気楽に走る。
10時間経過。走行距離は約223km。1時間の走行は約22km。ここまでのグロスは22.3km。
事前の計画からは遅れてしまっているが達成ペースで考えると問題ないので、この後も無理なくマイペースで。
ここまで本当に前向きに楽しく走れているので、この後も同じ感じで走りたい。
袋井あたりを走っていると交差点の信号でフォロワーの『shelliemayさん』が迎撃してもらう。
最初はどなたかすぐに分からず、半年前のOT時にも応援に来てもらったという話になり、別の方と認識して少し話がかみ合わず。最後には先日浜松に来た時に「仕事が都合つけば一緒に餃子を食べたかった」という話でようやく理解して半年前に反対側の道路上にあるコンビニで握手をした『shelliemayさん』と認識できた。
迎撃応援ありがとうございました。
11時間経過。走行距離は約246km。1時間の走行は約23km。ここまでのグロスは22.3km。
天竜川橋手前あたりで時刻は17時。11時間で全行程の半分あたりまでを目標にしていたが約10kmほど遅れている。だが達成ペースとしては問題ないのでここからも焦らずマイペースで。
この後は夜間走行で、ルートもここからは浜名湖北側を抜ける姫街道を進んでいくことになる。
R1と比べて多少アップダウンはあるが走行距離を短縮できることと、R1より交通量が少ないと思いそこがアドバンテージになると思って走っていたのだが、夕方という時間帯で交通量がかなり多い。車線も片側1車線の区間が多いので流れもそこまで良くない。浜名湖北のR362あたりまできたら交通量も落ち着き流れもよくなってきた。
このルートは夕方の時間帯との相性が良くないと感じたが一部分が渋滞しやすそうなのでもう少し早い時間帯ならスムーズなのかなと想像したりしたが、R1と簡単には比較できないと感じた。ただ同じ時間に走るなら次はR1を選ぶ気がする。
12時間が経過する少し前の約260kmの地点で『なるさん』が道路沿いで迎撃に来てくださっていた。
2週間前のお礼を伝え、少しだけ話をしてグータッチでエールをいただき先へ進む。
ちなみになるさんとは今年5度お会いしている。
5月の私のOTキャノボ時に浜松で、8月のなるさんの日本縦断時に広島で、9月の広島ブルベの尾道で、先日の浜松遠征で、そして今回の私のTOキャノボでお会いし5度も会うことができた。
おそらく今年一番お会いしたフォロワーさんは『なるさん』だと思う。
大変お世話になりました。
12時間経過。走行距離は約266km。1時間の走行は約20km。ここまでのグロスは22.1km。
なるさんと別れた後、12時間が経過したが、気持ち的には「あっという間の12時間だった」といった感じである。なるさんに元気をいただいた後ということもあるが、ここまで楽しく走れているということが大きい。
ルート的にもここからは愛知県に入った後は伊賀越えと清滝の登り以外、まとまった登りは無いので気持ち的にネガティブな要素が少ないのもメンタルにつながっていると思う。
13時間経過。走行距離は約291km。1時間の走行は約25km。ここまでのグロスは22.3km。
姫街道も終盤に差し掛かり国道1号に合流する前あたり、やや下り基調ということもありペースが戻ってきた。
永遠に続くと言われる静岡県もたくさんのポイントで楽しく走れたらあっという間に終わっていた。
20時前の夕食の時間帯、むすめからこんなメールが来た。
楽しく走っているとはいえ流石に食事に関してはすごく楽しいとは言えず、食事らしきものはパンとおにぎりなので正直に答えておいた。
でも楽しいという気持ちではなく、食べることのありがたさなどポジティブに考えれる要素はいろいろあるのでそこは上手くメンタルコントロールしていく。
前日の夜に『じーにょさん』にいただいた、日光のお煎餅をいただく。
14時間経過。走行距離は約313km。1時間の走行は約24km。ここまでのグロスは22.3km。
距離的には残り200km。24時間という制限時間で考えると残り10時間あるので、達成に向けては順調ではある。私としてはここからも変わらないマイペースで進みどれくらいのタイムで走り切れることができるかが重要なので引き続き同じ気持ちとペース配分で進んでいく。
トイレに行きたいタイミングで道の駅があったので寄ってみるとコンビニが併設されていたので、2度目の補給ポイントにする。
ここでも食べ物は買って補充するだけで、バナナジュースだけ飲んで再出発。
この後の補給休憩だが、残りの距離と時間を考えると無理すればピットインなしでゴールまで走り切れるかもしれないが、今回は出来る限りペースを一定で走りたいので、もう一回は補給休憩をする想定でこの後持って走る補給の量を考えてみた。
R1に合流してから21時前ということもありそこそこの交通量はあるが車の流れで走れるので走りづらさは感じない。ただ期待していた追い風がほとんど吹いてないので少し残念ではある。
15時間経過。走行距離は約333km。1時間の走行は約20km。ここまでのグロスは22.2km。
愛知県も中ほどまで進んだあたりで21時となったが、交通量は相変わらず多い。
話が少し脱線しますが、私の中で愛知県を楽しく走るコツがあるので簡単に説明します。
『愛知県のクルマのナンバー地名当てゲーム』である。
自分を追い越していくクルマのナンバーの地名を何回連続で当てることができるかというゲームなのだが、一見つまらないのではと感じるが、淡々と走っているキャノボ中には気が紛れて悪くないと思っている。
分岐の少ない地点でルートのことをそこまで考える必要がない区間でないとうっかりルートミスをしかねないので、R1の『本宿から豊明』あたりまでを走っている約35kmの区間で気が向いたらやる感じである。
基本的には『三河、豊橋、岡崎』、次に『名古屋、豊田、尾張小牧』あたりが多いイメージだが、たまに『浜松』や『四日市』といった県外ナンバーも現れるのでそう簡単ではない。
時間帯によって立て続けに追い越されることも多いので、連続で見るわけではなく、ナンバーを認識した後に頭で整理できるタイミングで次に追い越していくクルマのナンバーを当てるといった感じで何回連続で当てれるかを楽しむようにしている。
一応「5回連続で当てれたら良いことがあるかも」くらいで楽しみながらが丁度良いと思っている。
話を戻しますが、この区間で『みきさん』が応援に来てくださっていた。
半年前はロードバイクに乗りいかにもそれっぽい感じで迎撃に来てくださったが、今回は夜ということもあり私服だったので最初はどなたか分からなかった。停まって言葉を交わし『みきさん』と認識して少しだけ話をする。この後も2~3km進んだあたりで車の中からも声をかけていただき元気をいただきました。
今回もありがとうございました。
そして名古屋の少し手前あたりで、今度は『むらちーさん』が応援に来て下っていた。
むらちーさんは一桁キャノンボーラーでTwitterでも度々やり取りをさせていただいている。また私がR9キャノボにチャレンジした少し後にむらちーさんも同じR9キャノボに挑戦され29時間くらいで走り切られてかなり凄い方である。
今回初めてお会いしたのですが、色々とお話ができて嬉しかったです。ありがとうございました。
16時間経過。走行距離は約351km。1時間の走行は約17km。ここまでのグロスは21.9km。
RIからR23にかけての分岐で少し迷ってしまい裏道で行き止まりにも掴まり15分くらいロスしてしまい、この1時間の走行が17kmとかなり落ちてしまっている。高架などへのアプローチは念入りに事前確認をしておかないといけないと再認識した。
後この区間ではブルベの年度末の挨拶ツイートをするために5分くらい停まっていたのでそれで少し距離が落ちている。一見無駄のように見えるがこれはこれで自分として楽しむ要素なのでメンタルコントロールのひとつだと考えてのツイートである。
ここからはR23を走るためスピードもアップできボーナス区間となる計算だったが、そう簡単ではなかった。
微風ではあるが風向きが北西に向いていたので、この後も風向きは悪くないと思っていたら完全な南風になり橋の上を走るため風の影響をかなり受ける感じになっている。ほぼ横風か少し向かい風といった感じである。
17時間経過。走行距離は約374km。1時間の走行は約23km。ここまでのグロスは22km。
結局、この区間でも思ったほどペースを上げれなかったが、マイペースで走ることができているので良しとする。
あとR23を走っている途中の信号待ちで、フォロワーさんと思われる方が応援に来てくださっていました。お名前を聞けずでしたかありがとうございました。
そして四日市を抜けて鈴鹿市に向けて走っているあたりで時刻が『0時』となる。
18時間経過。走行距離は約395km。1時間の走行は約21km。ここまでのグロスは21.9km。
キャノボを達成ペース前提でほんの少しだけ余裕を持つとすると『18時間経過時で400km走行』が一つの基準かなと思っている。これはルートと距離次第なので一概には言えないが520kmくらいだと、残り120kmを6時間でまとめればいいのでちょうど良いと思う。反対に長めの550kmだと150kmなので要求グロスが25km/hとなるためOTで箱根ルートだったりすると都市部の走行まで考えるとかなり頑張ってペースを上げて走る必要があると感じる。
そして今回は512kmのルートなので残り約117kmを6時間なので要求グロスを20km/h切っているので全く問題ない状況である。
ただここからの区間は峠越えで尚且つ夜間走行なので集中力を増して走る必要がある。時間的にパンク2回までのロスタイムは許容範囲だが、何もないことが一番なので走りに集中する。
そして亀山市に入ったあたりで、まさかの雨が降り出す。今回は直前の天気予報で雨は降らないだろうと思っていた。降ってたとしても大阪に入ってゴール付近で降られるかもと思っていたので予想外の雨であった。
最初はポツポツと降る程度だったが、止む気配はなく少し雨脚が強くなる。ここで携帯していた薄手のウィンドブレーカーの上着を1枚反射ベストの下に着ることにする。
19時間経過。走行距離は約415km。1時間の走行は約20km。ここまでのグロスは21.8km。
時刻もAM1時で気温が下がり始め、雨ということもあり『12℃』を表示。最初は登りなのでペースを保ちつつ身体が冷えないように進んでいく。
加太の登り区間は交通量も少なく、木々に雨が当たる音が自然を感じさせてくれて悪くない。これもキャノボの楽しみの一つだと感じながら峠を登っていく。少し苦戦したのはこの登り区間で数か所分岐があるのだが、雨のためルート確認用のスマホを背中に格納していたので、分岐で停まって確認しないといけない場面があったりした。
そして今回のキャノボで一番厳しかった時間帯もこのあたりからである。登りを終えて伊賀の市内に向けての下り区間である。
気温の低い中、さらには雨が降っていて身体もかなり濡れている。そして登りで軽く汗をかいているので、ここからの下り区間がなかなかしびれる。
あまりの寒さで一度停車してからサドルバッグに入れていたもう一枚のウィンドブレーカーを着て寒さ対策をする。ウィンドブレーカーのズボンもあったが、邪魔になりそうなので履くのはやめておくことにする。
雨なので下りはスピードを上げすぎず慎重に進む。ここにきてこの厳しいと感じる寒さすらも何故かテンションが上がり始める。
気の持ちようで『楽しむ』を感じることができている。
20時間経過。走行距離は約436km。1時間の走行は約21km。ここまでのグロスは21.8km。
伊賀市内に入る手前で時刻2時をむかえる。
20時間が経過しているので、あと約75kmを4時間で走れば達成なる状況である。
今の状況を楽しめているのは色んな要因があると思うが、まず一つ目は時間的余裕だと思う。要求グロスが19km/hを下回っているのでペース的には十分余裕がある。
二つ目はここまでの体力的な疲れ具合だと思う。今回の決め事にしているようにずっとペースは無理せずなるべく疲れないような走りを続けている。もしここで疲労が大きくなっていたら、余裕がなく休憩のことを考えたり疲労からくる脱力など感じたりでネガティブな状況になっていたかもしれないが、まだまだ疲れも感じず体力的に余裕があるのも大きいと思う。
三つ目は今の状況が終盤のこのタイミングだからポジティブになれているのではと思う。あと4時間という状況なのでゴールまでのイメージが湧いているためこの寒さに対する厳しい状況もクリアできると思えている。もしこれが前半や中盤あたりだと、いつまで続くか分からない雨と寒さにメンタルをやられてしまう可能性があったかもしれない。
最後に四つ目はゴールまでのルート的な要因である。標高が少し高い位置で寒いとはいえここから先は清滝峠への登りがあるだけで、それ以外はほぼ下り基調である。雨でペースを上げづらいとはいえ、時間が読み易くメンタル的な余裕ができている。
これだけの要因があれば、この状況をポジティブに捉えることができ、厳しい状況すらも『最後まで何があるか分からないのがキャノンボール』とチャレンジを楽しむことができているのだと思う。
21時間経過。走行距離は約457km。1時間の走行は約21km。ここまでのグロスは21.7km。
下り基調でも無理をせずに安全第一で進んでいくが雨脚は変わらず降り続いているので、下りの勾配が緩いところは少し強めに踏んで体温を上げて走る。
この後のゴールまでの身体の状況を考えて、今持っている補給ではかなりギリギリになりそうに感じたので、木津川沿いにあるコンビニに入り最後の補給を取ることにする。
時間に大きな余裕があるわけではないが、一度冷えた身体を暖めたかったので座って温かいポトフを食べることにする。
ヨーグルトと野菜ジュースも一緒に摂りあと3時間弱走れるだけの補給を済ませる。
疲れ切っていたら少しでも前に進もうと補給もギリギリまで我慢したりしてしまいそうなので、余裕を持った判断ができていると思う。最悪なのは市街地を抜けコンビニが無い状況でハンガーノック等になることなのでそれらも想定しながら走れているのではないだろうか。
22時間経過。走行距離は約477km。1時間の走行は約20km。ここまでのグロスは21.6km。
木津川の市街地に入る橋の手前あたりでAM4時になり、あと2時間で約35kmを走り切ればキャノンボール達成といった状況。
まだ雨が止む様子はなく路面は濡れているので引き続き集中して走る。
時間も時間なので交通量も少ないし、ここからは清滝峠への登りの区間。ここさえ何事もなくクリアすればキャノボ達成を確信できる。
京都から奈良を跨ぎ大阪に入り清滝峠のピークへ向けて登っていく。加太の登り区間と同様で自分の吐息と山の中の雨音のみで雰囲気は悪くない。ピーク手前でツイートをする。
そして清滝峠を登り切り、大阪市内に向けての下りに入る。
ここで今回楽しみにしていたある景色をようやく見ることができた。キャノボ中の清滝峠からの大阪の夜景である。
この景色への思い出は、たしか3年前の2019年12月にフォロワーの『はやとさん』がTTバイクでTOキャノボを走られていて今回と同じように清滝峠からの夜景をツイートされていてそれがあまりにも印象的だったので同じ状況で直に見てみたいと思っていた。
ここまで500km走ってきて最後の難所の峠を登り切ったあとに見る景気は素晴らしいだろうと想像を膨らませていた。
清滝峠の頂上付近は木々ばかりで開けてないので、少し下りながらトンネルの上の高架を渡る際にようやく夜景に出会うことができた。
この景色を事前に期待していた状況でも、ようやく見れた達成感とここまで走ってきた何とも言えない感情で感動がこみ上げてくる。
前回のTOはAM11時スタートだったので、ここを通過した時には明るい時間帯だったのでこの景色には出会えていない。
この景色に出会うためにはルート選択と時期による時間選択が噛み合わなければならないので、巡り合わせもあると思う。今回はAM5時になる少し前に通過したので、これが6月や9月だと明るくなり始めて夜景は見えなかったかもしれない。この時期でもあと30分くらい後だとギリギリで景色を見る余裕もないと思うので、そう考えるとある程度余裕をもってこの景色を見れたのは嬉しかった。
実は清滝のトンネルを通ってもその後の合流地点付近で同じように夜景は見えるので、峠を登るかトンネルを走るかは好みのルート選択で問題はないと思う。
ここからは下り区間でようやく雨も止み途中から路面も乾き始めている。おそらく大阪市内はほとんど雨が降っていなったのではないだろうか。
23時間経過。走行距離は約496km。1時間の走行は約19km。ここまでのグロスは21.5km。
ほぼ下り切ったあたりで23時間が経過。ゴールの梅田新道まであと15km。伊賀からの下り区間で雨のためペースアップできなかったこともあり結構ギリギリになってしまった。
終始無理はしてなかったとは言え、計算通りにいかないのもまたキャノンボールだなと感じている。
夜が明け始めているが、まだ薄暗い大阪の街をゴールに向けて進んでいく。
もう焦る必要はないので事故やトラブルだけには合わないように確実にゴールを目指す。国道1号に復帰し蒲生四丁目の交差点を右折して後は4km程度の長い直線を残すのみ。信号も多いのでストップしたタイミングでゴールツイートを作成しながら、信号が変わるのを待つ。
いくつか大きめの交差点を通過してようやく梅田新道の交差点が見えてきた。最後交差点の信号につかまり右前方に道路元標と何名かの人がいるのが見える。
交差を通過して次の信号で反対車線に移動して道路元標に到着。
ゴール地点には『えむきゅうさん』『RX01さん』『Tonyさん』の3名が来てくださり、ゴールの瞬間も写真を撮ってくださった。
到着してまずは時間確認でサイコンの写真を撮る。
23時間51分。走行距離は約513.3km。グロスは21.5km。
時刻は『AM5:51』、『23時間51分』で無事に2度目の東京⇒大阪キャノンボール達成である。
応援に来てくださった皆さんに挨拶をしてから素早く到着&達成のツイートを送信する。
皆さんとゴール後に今回のキャノボについて色々と話をする。
3名とも何度か面識がある方ばかりなので気兼ねなくたくさんの楽しい話ができました。ありがとうございました。
今回のキャノンボールは最初から最後まで本当に楽しむことができたキャノンボールだった。
●ゴール後
ゴールしてしばらく話し込んだ後、風が強く吹き始めてかなり寒くなってきた。
まだ朝の6時過ぎということもあり、この後どうするかを考える。
ありがたいことに『RX01さん』が新大阪の駅近くまでクルマで送ってくださるとのことなのでお言葉に甘えることにする。梅田から新大阪までは割と移動が大変なので本当に助かりました。ありがとうございました。
外にいるのは寒かったので近くのコンビニのイートインコーナーで少しの間休憩することにする。
30分くらいTwitterのコメント返信などをしてのんびり過ごす。
この後の予定をそこまで考えてなかったので駅の周りをぶらりと散策してみてもいいかなと思ったが時間がまだ早いのと寒さが思った以上に厳しかったので、自転車を輪行状態にしてから駅の構内に入ることにする。
お土産を買った後に駅の構内をウロウロと歩いてみたが、特にすることもなく早めに広島に帰ってのんびり過ごすのが良さそうだと思い、AM11時過ぎの新幹線に乗って広島へ帰る。
広島駅から家までは約4kmほどなのでのんびり自転車で走り、自宅に到着。
家に帰るまでがキャノボなのでこれで今回のキャノンボールは終了です。
時刻はまだ13時過ぎなので家でゆっくりする前に簡単に自転車の清掃と荷物の片づけを済ませる。
後回しにすると気持ち的にすっきりしないので素早く動く。
これでようやく無事に全てを完了。
ちょうど48時間前に自宅を出発して広島から東京へ移動し、自転車で大阪まで走りそして48時間後の今、広島に帰ってきていることを思うと、かなりの強行スケジュールになったが内容の濃い48時間であった。
これにて今回のTOキャノンボールを締めたいと思います。
●おわりに
今回のキャノンボールは最初に決めていた3つの決め事をしっかりやり切ることができました。
一つ目の『1時間毎の経過ツイート』は停車するタイミングで多少前後するときもありましたが、基本的には問題なくいいペースで発信できたのではないかと思います。
二つ目の『ペースはいつもの8割程度のイメージで疲れないように走る』に関しては、それなりに疲れはあるものの大筋思っていた感じで走れたと思います。ただ、時間的にはもう少し余裕を持った時間でゴールしたい思いだったのでそのあたりは反省して次に繋げたいです。
最後の三つ目の『楽しむ』についてですが、今回のキャノンボールは本当に楽しむことができました。
印象に残っているのは富士山を中心とした景色を堪能しながら、フォロワーの皆さんと楽しくコミュニケーションを取りながら終始楽しく終えることができました。
キャノンボールを始めとしたロングのファストライドはメンタル的に厳しい時間帯が出てくるが、いかにそこをコントロールしてポジティブに持っていけるかが大事だと感じました。
楽しむことが一番ですが、そのためには経験や工夫が必要で、今回のチャレンジではそのあたりについてたくさん考えることができて有意義なチャレンジになりました。
今回もスタート前からゴールした後までたくさん方に応援していただき本当に力になりました。
最初から最後まで楽しく走ることができたので間違いなく皆さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
来年も時間を見つけていろんなことにチャレンジしていきたいと思っています。
最後になりましたがいつもブログを読んでいただきありがとうございます。
それではこのあたりで今回のブログを締めさせていただきます。
◆ブログの主情報◆
ネーム:たけまさ
年齢:42歳(執筆時)
自転車歴:2016年~
身長:182cm/体重:71kg
【主な自転車チャレンジ履歴】
・2019年9月/国道1号キャノンボール(東京⇒大阪)【526km】:23時間30分
・2022年5月/国道1号キャノンボール(大阪⇒東京)【546km】:23時間57分
・2022年11月/国道1号キャノンボール(東京⇒大阪)【513km】:23時間51分
≪国道一桁(1号除/10号含)キャノンボール≫
・2020年11月/国道2号キャノンボール(門司⇒大阪)【525km】:23時間49分
・2021年6月/国道10号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【459km】:19時間44分
・2021年11月/国道3号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【386km】:15時間21分
・2022年5月/国道9号キャノンボール(下関⇒京都)【636km】:31時間48分
≪その他ファストライド≫
・2019年3月/鹿児島⇒広島TT【567km】:25時間57分
・2019年6月/名古屋⇒広島TT【534km】:26時間7分
・2020年10月/広島⇒神戸TT【504km】:23時間25分
・2021年4月/国道10号⇒3号TT【851km】:45時間21分
・2021年9月/広島一周1000kmTT【1005km】:59時間6分
≪エベレスティング≫
・2019年4月/エベレスティング(春日野):19時間23分
・2019年12月/エベレスティング(春日野):20時間14分
・2021年6月/ダブルエベレスティング(春日野):42時間54分
・2022年4月/10kエベレスティング【トリプル失敗】(春日野):22時間11分
東京⇒大阪キャノンボール2022(秋)【プロローグ】
2022年の10/31(月)と11/1(火)で自身3回目の東京大阪キャノンボールに挑戦したのでその記録をブログに綴っていきます。
●チャレンジの経緯
まず初めに今回の東京⇒大阪キャノンボールに挑戦した経緯を簡単に載せてみる。
今年(2022年)の5月にOTキャノンボールに挑戦し無事達成することができたのだが、今年の目標にしていたチャレンジについては四国一周TTを実施できずにいた。
時期的にも既に10月末になっていたということで、3連休の確保が難しく四国一周は来年以降に持ち越すことにした。
5月のキャノボ達成以降、ぼんやりとだが自分の中で挑戦したいチャレンジが頭の中に生まれつつある。
それを目指すためには四国一周もやっておきたいが、もう一度、東京大阪キャノボをやっておきたい気持ちが強かった。
なかなか四国一周と東京大阪キャノボに通じるチャレンジというものは想像しづらいが、間違いなくこの両方の延長上に将来挑戦したいチャレンジが存在する。
このチャレンジに関してはまた具体的になったら計画を載せれたらと思っています。
10/31(月)と11/1(火)と連休があり、この2日間を自由に使える状況で四国一周以外でなにが出来るかを考えていた。
天気は少し微妙で、全国的に火曜の午前から昼にかけて雨マークが出ている様子である。
気持ち的には何かやりたいがこれといったものが見つからない。
何もせずゆっくり過ごそうかとも考えていたが、10月初旬に挑戦したR9キャノボで目標未達成だったこともあり、今年のチャレンジの締めとしてはやり切れてない感が強く残っていた。
それと合わせて、10月の中旬に広島から神戸までの約300km、神戸から浜松までの約300kmを連日走っていたのでロングライドに対する感覚はかなり良い感じだった。
ここで最初に挙げた、「今後のチャレンジに向けて、もう一度、東京大阪キャノボをやっておきたい」という気持ちを具体的に進めれないか考え始めた。
タイミング的に準備期間は少し短いがこれまでのチャレンジと似た部分が多く、そこまで問題はないと判断して荷物等の準備だけは進めていく。
ルートに関しては、今後のことを考えて走りたいキャノボルートを引いていたのでこれも問題ない。
自分の中で問題だったのは、前日の移動である。
風向き的にはそこまで強くなくどちらかというと東風だったので東京スタートの大阪ゴールで考えることになり、その場合前日に新幹線で東京へ移動することとなる。
広島からだと東京行きの新幹線の最終は『20:01』広島発で『23:45』東京着となる。
前日に仕事が終わって、急いで帰宅して準備して駅に移動して輪行してと考えると無理ではないが、そこまでバタバタして移動するのもどうなのかなと考えたりしてしまった。
尚且つ、翌日はAM6時のスタート予定で考えると東京に到着してホテルに移動して寝てスタート地点に立つまでもかなり時間がタイトで良いコンディションでいれる自信がなくここまでして走る意味があるのかどうか疑問に思えてきたりもした。
大阪でゴールした後も1泊できるなら、現地のフォロワーさんとご一緒したりと色んな予定も考えるのだが、翌日が仕事なので早めに自宅に帰ることになる。
それらを含めて総合的に考えると、『キャノボにチャレンジする意義とは』という哲学的な考えに至ってしまい、東京と大阪に行くのに、現地の楽しみを味わえず広島からだと移動費と宿泊費もそこそこ掛かるしいっそ今回のキャノボはやめておくのが正解かなと思ったりした。
結局チャレンジ予定の3日前の金曜日の時点ではチャレンジをあきらめて、10/31の月曜日に広島市内をのんびり走るグルメライドをTwitterで呼びかけることにした。
そして翌日の10/30の土曜日に心変わりをすることになる。その日も普通に仕事して家に帰るのだが、ちょうどその日にTwitterのフォロワーの『はるさん』が国道2号キャノボに挑戦されていたので、広島市内に住んでいる私としては時間さえ合えば応援に行くつもりだった。
今回は大阪をAM8~9時頃スタートということもあり夜の23時~24時頃に広島市内を通過予定だったのでタイミングも問題なく応援に行くことができた。
迎撃地点がちょうど信号ストップのタイミングだったので『はるさん』と少しだけお話ができた。残り約170kmを8時間半くらいだったので少し余裕があるのかなと思っていたが、ご本人は達成のことだけ考えられていてかなりの熱量を持たれており、ここからも集中して走る意志の強さを伺えた。
結果的に24時間以内に門司に到着され見事達成されたので私としてもとても嬉しかった。
この時の『はるさん』のチャレンジされている姿にかなり刺激されて、改めて自分も何かチャレンジしたいと思ったのである。
そして10/30(日)の朝、仕事に行きダメもとで午後休を申請したらすんなりと許可が下り、ここからもう一度キャノボ挑戦に気持ちが加速する。
Twitterで広島グルメライドの案内を訂正し、幸いにも平日のため参加希望者もいなかったため特に後フォローなども必要なく、予定を切り替えることに成功。
家族にも連絡して予定が二転三転するのをありがたいことに快く許可をもらえたので、東京行きを決心。
14時ごろの新幹線に乗れたら18時には東京に到着して、少しゆとりをもって前日と当日のスタートまで過ごすことができるので、コンディション的な不安も大丈夫そう。
ということで以上が、今回の東京~大阪キャノンボールへの挑戦決定までの経緯である。
かなりの優柔不断ぶりを見せているが、東京へ向かう当日の朝まで最終的な決行の判断ができずにいたため、これが初めてや2度目のキャノボ挑戦であったら、メンタル的にもよろしくない状況になったと思うが、これまでの経験が大きいのか、わりと前向きにキャノボを楽しみたいという気持ちを持てていたと思う。
●ルートについて
今回走るルートは先ほども述べたように、いつかやりたいチャレンジに繋げたい思いもあり、幾通りもあるキャノボルートの中で最近の主流になっている、効率と分かりやすさを優先したルートに仕上げたつもりである。
東京をスタートして国道246号を走り御殿場を抜けるルートを選択。個人的にはキャノボと言えば箱根にこだわりを持っていたが前回含む双方向を箱根を越えて達成できたので、そのこだわりは成就され次のステップへ進むことができている。
静岡では浜松周りを国道1号ではなく浜名湖北側の姫街道を選択。少しアップダウンはあるが距離の短縮につながるので効率重視のルートを選んでみた。
そして名古屋市内を回避して1本海側を走ることになる最近トレンドの国道23号を走るルートを選択。ここは距離がかなり短縮されるのと、スピード向上が見込めるのでR23を選んでみた。
少し前の広島~浜松遠征時にキャノボルートの下見を兼ねて反対方向ではあるがR23と姫街道は予習していて道に迷うなどの問題は無さそう。
三重から大阪までは定番の伊賀越えルートを選択して、東京から大阪までの走行予定距離は約512kmのルートとなった。
効率重視のルートということで、出来る範囲で距離を抑えつつ極端なアップダウンは無いルートで、尚且つ極力複雑ではなくルートミスをすることがないようなルートに仕上げてみた。
当然ルートの参考にさせていただいたのは、いつもお世話になっている『ばるさん』のサイトである。
ストリートビューを確認しながら、迷いそうなポイントはしっかり押さえていたので初見ポイントは多いがこれまで通り安心して走ることができると思っている。
ルートに関しては以上のような理由で早い段階から作成は完了していた。
●スタートまで
準備は3日前までの状況もあり大雑把ではあるがほぼ完了させていたので、そこから足りないものを追加しつついつものルーティーンで進めることができた。
ウェア関係は少し迷ったが、10月下旬ということで春のチャレンジとほぼ同じスタイルでいくことにする。
昼間の暑さより夜間の寒さが気になるが前半に御殿場を通過するため、全体を通して10度を下回ることは無さそうなのでそこまで気を使う必要も無さそう。
薄手の長袖インナーベースで自分としてはマルチに対応できる動きやすさも考えた定番の服装を選択。一応ウィンドブレーカー上下をサドルバッグに入れて、対策だけはしておく。
今までのR1キャノボと違うのは輪行袋を携帯して走ること。これまでの2回は荷物も極力少なくということで行きと帰りの輪行袋は分けて準備して、スタート前には荷物を自宅に送り、ゴール地点に帰り用の荷物を事前に送っていた。(今年5月のOTは大阪まで車移動なのでゴール地点にだけ事前に荷物を発送していた)
その他細々とした荷物も少しあったが走るのには問題ないレベルだと思う。
仕事を終えて昼過ぎに帰宅して、ササっと準備をしてから自転車で広島駅に向かう。
ここ最近、立て続けに輪行をこなしていたこともあり、駅での輪行準備もスムーズに完了。
広島駅でむさしのお弁当を買って新幹線に無事乗車する。
無事に新幹線に乗ったところで改めてキャノンボール挑戦のツイートをする。
東京についたのは『18時』。フォロワーの『びいよんさん』が東京駅に来てくださるということで、八重洲北口で挨拶する。5月のOTキャノボの時に横浜で応援いただいて依頼なので半年ぶりである。
輪行を解除しながら世間話をして明日へのやる気をいただいてお別れをする。
ホテルは日本橋から2kmほど東方向に行ったところなので、途中日本橋の道路元標に立ち寄る。
ここに来るのも半年ぶり。いつ来てもこの凛とした雰囲気は気持ちが整います。
ホテルまで移動して一旦自転車を部屋に入れて明日に向けて荷物の整理や充電等を済ませる。
その間、ユニットバスのお風呂に熱湯を貯めて扉を開放して部屋の中を過湿状態にしておくことも忘れない。少しでもベストなコンディションで走るためやれることはやっておく。
一通りホテルで準備することを終えて、夕食をとるため自転車で外を散策する。
『湾さくさん』にお勧めしてもらった日本橋にある天丼屋さん『金子半之助』を目指したのだが、場所が分からずうろうろしていたら「たけまささん」という声が。そこには『湾さくさん』が居られ、今ちょうど天丼を食べ終わったとのこと。話を聞くと1時間以上待たないと食べれないということで今回はやめておくことにする。
湾さくさんと少しだけ世間話をしてお別れをする。ちなみに湾さくさんとも会うのは半年ぶりである。
結局、夕食はホテルのすぐ横にある居酒屋さんで食べることにした。
東京まで来て大阪串カツのチェーン店での夕食。東京で大阪の味を楽しむということで良しとする。
食事を終えた21時ごろ『mioさん』と『じーにょさん』が日光からのライド帰りにホテルの近くまで寄ってくださり、お会いすることができました。ここでのお二人とも会うのは半年ぶり。お土産までいただいて本当にありがたい。少しだけお話をしてお別れしてホテルに戻る。
お二人ともありがとうございました。
お風呂に入ってストレッチをして22時半過ぎに就寝。
チャレンジ当日は4時半起床で約6時間しっかり睡眠を取ることができた。
朝ごはんはホテルの隣にある吉野家で朝定食を食べるつもりだったのに、お店に行くと早朝は閉まっている。
仕方ないので近くのコンビニで調達をすることにする。朝ごはんと併せて走行中の食料におにぎりとパンも一緒に購入。スタート前にコンビニに寄る手間がなくなったので良しとする。
ホテルでササっと朝食を済ませてからいざ国道1号の起点に向かう。
スタート予定時刻がAM6時なので15分前の『5:45』に国道1号の道路元標に到着。
スタート地点にはTSJでお世話になっている『なほさん』と『RYOさん』が見送りに来てくださっていた。
話をしたり写真を撮ったりしているとフォロワーの『いかさんまさん』も来てくださった。
朝早くから本当にありがとうございます。
やる気をいただいて、スタートのツイートも完了し予定通りの『AM6時』ジャストに東京日本橋をスタート。
●おわりに
今回はスタートまでということで一旦このあたりで締めさせていただきます。
今回は過去2回の東京大阪キャノンボールのように緊張感を持った状態での挑戦とは少し違った感じです。
当然達成を目指して走るのですが、今までと比べて格段に気持ちに余裕があります。直前までバタバタ忙しくしていてもスタート地点に立てさえすれば何とかなるといった感じです。おそらく過去2回の経験があり、それに加えてルートと距離的にもアドバンテージが大きいからかなと思います。
かといって決してキャノンボールを簡単に見ているわけではなく、良い意味でリラックスでき自然体で力むことなく走ることができると感じています。
今回走るにあたり、自分の中での決め事がいくつかあるので挙げておきます。
まず一つ目は、これから挑戦する人の参考になればと思い『1時間毎に経過のツイートをする』ことです。
今回のルートは最近主流になりつつあるルートなので、今後チャレンジされる方にペースなどの指標になればありがたいなといった思いです。
また、自分の中でも今後の目標に向けてのペース配分や自分のファストライドをするときの状態など確認したい思いもあります。
そして二つ目は、『ペースはいつもの8割程度のイメージで、疲れないように走る』です。
少し前からこの走り方を意識しているが、まだまだうまく走れないので今回のキャノボでもルート的に出し切るような走り方をする必要は無さそうなので出来る限り疲れないように走りたいです。
ただキャノボは何が起こるか分からないので、複数回のパンク的なトラブルに合えば当然要求グロスも上がるため、その時は達成のために出力を上げていく場合もあると思いますので状況に応じて変化も必要だと思っています。
最後に三つ目になりますが、『楽しむ』ことです。これは簡単なようで難しくもあり、今回のチャレンジで一番大切にしていた決め事です。
どうしても長距離のファストライドは状況により身体ともに辛い場面が出ると思いますが、メンタルコントロールもかねて『楽しむ』ということを心がけたいです。楽しみ方は人それぞれだと思うけど、私の場合はキャノボでの位置共有やTwitterといったものを介して関わってくださる皆さんと一緒に楽しさを共有できたらいいなと思っています。
私が走っているキャノボを、皆さんにも共有して楽しんでもらいたい。そして自分が楽しんでいる様子が伝われば楽しさも増すのではと考えたりします。
あと楽しみと言えばもうひとつ、大好きな漫画の『ワンピース』について。
何かチャレンジ達成したらご褒美にと単行本のまとめ読みを取っているのでこれもモチベーションのひとつにしています。
以上のことを私の中の決め事して今回のキャノボを走ることにしました。
過去2回の経験をアドバンテージとして活かし、どんなキャノンボールになるか楽しみの要素が今回は大きくなっています。
それでは本編でチャレンジの様子を感じていただければと思います。
※【本編】はこちら
↓↓↓
東京⇒大阪キャノンボール2022(秋)【本編】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
最後になりますが、いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
◆ブログの主情報◆
ネーム:たけまさ
年齢:42歳(執筆時)
自転車歴:2016年~
身長:182cm/体重:71kg
【主な自転車チャレンジ履歴】
≪キャノンボール≫
・2019年9月/国道1号キャノンボール(東京⇒大阪)【526km】:23時間30分
・2020年11月/国道2号キャノンボール(門司⇒大阪)【525km】:23時間49分
・2021年6月/国道10号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【459km】:19時間44分
・2021年11月/国道3号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【386km】:15時間21分
・2022年5月/国道1号キャノンボール(大阪⇒東京)【546km】:23時間57分
・2022年5月/国道9号キャノンボール(下関⇒京都)【636km】:31時間48分
≪その他ファストライド≫
・2019年3月/鹿児島⇒広島TT【567km】:25時間57分
・2019年6月/名古屋⇒広島TT【534km】:26時間7分
・2020年10月/広島⇒神戸TT【504km】:23時間25分
・2021年4月/国道10号⇒3号TT【851km】:45時間21分
・2021年9月/広島一周1000kmTT【1005km】:59時間6分
≪エベレスティング≫
・2019年4月/エベレスティング(春日野):19時間23分
・2019年12月/エベレスティング(春日野):20時間14分
・2021年6月/ダブルエベレスティング(春日野):42時間54分
・2022年4月/10kエベレスティング【トリプル失敗】(春日野):22時間11分
国道9号キャノンボール2022
2022年10月3日(月)~5日(水)で、国道9号キャノンボール(以降R9キャノボ)に挑戦したので、そのチャレンジについて書いていきます。
●チャレンジの経緯
まずは今回のR9キャノボに挑戦した経緯を簡単に載せてみる。
これまで国道一桁のキャノンボールということで、国道1号、2号、3号と完走している。あと一桁ではないが10号も一応完走済みである。
順番的には4号を走りたいところだったが『東京⇔青森』ということでスタート&ゴール地点へのアクセスの難易度的に今の日程調整では実現に至らなかった。
そこで広島という地理環境を生かしてチャレンジしやすいのが『京都⇔下関』の国道9号である。
今年の目標のひとつに挙げていたので、3連休を確保できたこの10月にチャレンジする運びとなった。
走行距離は『約635km』、目標時間はキャノボペースをベースに考えて『30時間』に設定。
今まで広島一周の1,000Kmや600kmブルべ、その他のロングライドチャレンジは走ってきたが、キャノボペースでの600km以上のチャレンジは九州のR10⇒R3の850km、40時間チャレンジ以降なので、経験値が少ないのは間違いない。そして九州850kmの時は目標未達成であるので苦手意識も少しある。
以上のような経緯で、今回のR9キャノボに臨んできた。
今後の自分の描いているチャレンジに向けてここはクリアしたい思いである。
●スタートまで
10/2に仕事を終えて、輪行で新幹線に乗って下関まで移動。
チャレンジスタートは翌日のAM9時を予定していたので、遅めの時間の移動でも問題はない。
22時過ぎに下関のホテルに到着したので、コンビニで購入した晩御飯を食べて翌日の準備を完了して0時頃に就寝。
朝は7時に起床してホテルの朝食ビュッフェをしっかり食べてから着替えを済ませホテルを出発。
自転車を輪行袋から取り出して組み立てたりに若干手間取り、AM8:30にホテルを出発。途中コンビニによってパンとおにぎり、ドリンクを購入して8:55にスタート地点の『下関駅前』に到着。
前日の夜にスタート地点を確認していたので迷うことはなくスタート地点に立つことができた。
スタートツイートのために写真を撮って、スタートの態勢に入る。
●R9キャノボ
AM9時になったのでスタートのツイートをしてから走り出す。
最初の信号で位置情報の共有。今思うとスタート前に位置情報の共有すればいいのではとも考えたりする。
下関から関門トンネル人道まで数キロ走ってから記念撮影。
R2キャノボを思い出す。
ここからしばらくの間は国道2号と9号の重複区間を走ることになる。何度か走ったことがあるので安心感はあるが、R2キャノボの時にスタートして3kmの地点でパンクしたのを思い出しながら、その地点を確認しつつ進んでいく。
初めのうちは少し向かい風だが微風なので気にならない。今回の作戦はとにかく足が疲れないように走ることである。基本的にはいつものキャノボの時より出力を1~2割減で走るように心がける。
最初は平坦だが20km過ぎたあたりから宇部にかけて軽いアップダウンがある区間。まだまだ元気なので問題ないが予想以上に気温が上がってきて暑さを感じる。
走り始めて2時間弱でスタート時に購入したペットボトルのドリンクがなくなったので、信号で停まるタイミングのコンビニでドリンクを購入。
そこから少し走ったあたりでいつもお世話になっているAJ広島のケンセーさんが応援に来てくださったので、停まって写真を撮っていただく。エールを受け取り走りだす。
少ししてR9の距離の標識を見つけたので撮影する。
このあたりの萩へむけて分かれる道があるのだが、5年前に初めて500km走った時の約100km地点のコンビニがありそこで休憩したのを思い出して感慨深く感じる。
ブルベでもキャノボでもないただのプライベートの500kmライドである。今思うとよく走り切ったと当時の自分に感心してしまう。
広島~山口500kmチャレンジ↓↓↓
【https://masayumex.hatenablog.com/entry/2017/06/14/213210】
登り区間は出力を一定にのんびり登るのだがお昼を過ぎてかなり気温が上がっている。
途中写真を撮りながらもマイペースで走るが、あまりの暑さでドリンクが全てなくなり100km過ぎた地点のコンビニ補給休憩。
ドリンクと水を購入。空のボトルに水を補充して残りは頭から被る。
113km地点で島根県に突入。道の駅に写真を撮影。
ここからは長い下り区間で日本海の益田を目指す。気持ちよく下ってから平坦区間に入り益田に到着。
益田市内のローソンポプラを発見したが、ここは2023年度の私が開催するブルべでポプ弁300のPCに設定してるコンビニだ。どんなブルべになるか楽しみなのでその気持ちも現れてストップして写真を撮る。
益田は比較的平坦区間なのだが、浜田にかけてからコースレイアウトが一変する。
浜田手前から出雲あたりまでの区間はずっとアップダウンの繰り返しなのである。ここでどれだけ疲れずに走れるかが重要なので、引き続き無理のないペースで進んでいく。しかし変わらない暑さのせいで身体的な疲労は溜まっていく。
浜田に入ってすぐの道の駅でドリンク休憩。そしてそれらしい撮影スポットがあるのでここでも写真撮影。
スタートから8時間が経過。走行距離は182kmなので、この暑さの中ならまずまずのペースなのではないだろうか。
しばらくして夕焼けが綺麗だったので写真を撮る。
空も暗くなり夜間走行に入る。足の具合は全く問題ないのだが、昼間の暑さのせいで少しバテ気味だったので大田市のローソンポプラでポプ弁を食べることにする。少し長めの休憩を取ってから走り出す。
大田市から出雲市に向けて走っていると反対車線でスマホを構えて撮影している人を発見。
応援に来てくださったので停まって少し話をする。
出雲市に入ったあたりで時刻が21時となりスタートから12時間が経過。
走行距離は『260km』なのでギリギリでキャノボペースである。足が疲れないようにペースを抑えて走っているので悪くないペースだが、目標に向けてのペースに比べると少し遅れている。
出雲市内でもフォロワーさんが応援に来てくださり信号のタイミングだったので少し話をしたりする。
時刻が21時半頃になったあたりでTwitterのスペース機能を使ってリラックスタイムを試みてみる。
前日に少し使っていたので、スムーズに開始できた。フォロワーさんの会話を聞きながら停止前のスピードが落ちるタイミングで会話に入ったりする。スピードが20kmを超えると風切り音がマイクに入ってまともに会話ができないので走っているときは基本ミュートにしている。
フォロワーさんの話を聞きながら走るのは楽しいが、停止した時のツイートしたりストレッチしたりする行動がスペースにシフトしてしまい、全くツイートができなくなってしまったりでリズムが変わってしまったため工夫が必要だと感じた。
出雲市から松江市にかけてアップダウン区間も終わり追い風基調で気持ちよく走れていたが、宍道湖の終盤あたりから松江市内に向けて走るところで裏道を抜けていると何度か道に迷ってしまった。
ちょうどこのあたりで島根大学の学生のフォロワーさんが自転車に乗って応援に来てくれたので、後ろにつかれて少しの区間一緒に走る。
キャノボに興味があるしブルベにも参加し始めたとのことで、大学生に興味を持ってもらえてうれしく感じる。
米子市を少し過ぎたあたりのコンビニで軽めの補給休憩を取る。
牛乳が飲みたかったのとプリンで糖分を補給。
約17時間経過で361Km。
少し走ると道路標識に『京都』が現れたので少しテンションが上がる。
このあたりで眠気がやってくる。
最近のロングチャレンジではこれまでの経験を生かして眠気を飛ばして1回のオーバーナイトなら問題なくこなしてきたのだが、今回の眠気は何をしてもおさまらない。
こんな時は危険なので、コンビニ等の広めなスペースを見つけて短めの仮眠を取ることにしている。
約15分の仮眠をとり目薬を注してから再び走り出す。1時間くらい走るとまた同じ眠気がやってきたのでもう一度15分の仮眠を取る。
結局同じことが1時間後にもあり、3回の仮眠を取ってしまった。
朝日が出始め夜が明けてきたのに合わせてか、その後は眠気が来ることなかった。
後からの考察では昼間に汗をかきすぎたので、それらが泳いだ後に疲れて眠くなるような現象なのではと勝手に考えたりしている。
今までも思い返すとそこまで暑くない時期のオーバーナイトの方が眠気はそこまで酷くなかった記憶がある。
この辺りはこれから対策を考えたい。
鳥取市あたりで朝日の写真を撮ってから少し走って鳥取砂丘に到着したのでここでも写真撮影。
そこまで厳しい登りではないがダラダラと登らされる感じで気が付けば『兵庫県』に突入。
そこから少し走った新温泉町にあるコンビニで、休憩を兼ねて補給を取る。
そこまで食欲があるわけではないので食べやすいバナナとフルーツドリンク。コーラとバームクーヘンは走りながら食べるように。
その後もしばらくアップダウン区間を走り、養父市あたりでスタートしてから『24時間』経過をむかえる。
走行距離が494kmなので、かなりペースダウンしてしまっている。
要因は完全に仮眠と休憩での時間の消費である。
ここから目標の『30時間』での感想を計算すると約140kmを6時間で走る必要がある。
グロスアベだと『23.4km/h』なので、少しペースを上げないといけないが、ここまで出力的にはずっと抑えて走っているのでペースアップは問題ないと考え先を進む。
しばらく走ると『京都府』に突入。ついに今回のR9キャノボのゴールのある京都である。
普段通りに走れたら目標達成は十分現実的だし、500km以上走ってきてまだ元気なのでこの先も集中して走りたい。
時刻は『AM10:55』、550km地点のコンビニで最後の補給のつもりでストップ。
残り85kmを約4時間。簡単ではないがノンストップで走れたら十分達成圏内である。
気合を入れなおして先を進んでいく。
ところが日が上がり暑くなり始めたせいか、福知山を抜けたあたりの残り70km地点で身体に力が入らなくなる。
この感覚はハンガーノックに近い感じだが補給は絶えることなく取っているのでそれは無さそう。
おそらく暑さからくる軽い『熱中症』だと判断する。
少し走ってみても改善する様子はないため、このまま走ると危険だと思い日陰を探す。
ちょうどガソリンスタンドがあり、自動販売機の陰で休めそうだったので自転車を停めてスポーツドリンクを購入して座って休憩をすることに。
この時点で目標の『30時間』以内での完走は厳しいと判断し、残念ではあるが目標を時間外完走に切り替えることにする。
約1時間ほど休憩すると、体調が回復したようなのでゴールにむけて再出発する。
ここからは向かい風区間が続くがゴールを目指して淡々と進んでいく。目標時間はオーバーするとはいえこの後の用事もあるので、パフォーマンスを下げすぎずマイペースで走る。
南丹市から亀岡市を通過して最後の登り区間を終え、京都市内に向けて一気に下っていく。
下り終えたら、風景が一変して京都の街中を進んでいく。交通量も一気に増えてなかなかスピードが上がらなくなる。
ゴールまで残り10kmあたりから京都の街並みを楽しみながら落ち着いたペースで進んでいく。
するとゴールまでの間のわずか10km弱の区間で3名ものフォロワーさんが途中途中で応援に来てくださっていてとても嬉しかった。時間外のため急ぐ必要がない状況なので、その都度停まって挨拶をしてからゴールに向けて走る。
京都市内も想像以上の信号と車の多さで、ギリギリの時間で走っていたら危険だったなと思ったりもした。
大通りに入ってから似たような交差点をいくつも通過してようやくゴール地点である下京区の『烏丸五条交差点』に到着。
ゴール時刻はスタートから31時間48分経過した『16時48分』である。
●ゴール後
ここでも3名のフォロワーさんが出迎えをしてくださり本当にありがたかったです。
ゴールして一息ついてから、烏丸五条交差点がみわたせる場所に案内していただき写真を撮る。
フォロワーさんと道中の話をしながら、今回のチャレンジを振り返ったりしてみた。
最近は感覚がズレてきたのか自分のチャレンジをあまり客観的に見ることができていなく、いろんな人と話をしていて改めて考えると自転車で下関から京都までの道のりを走り切ることは簡単ではないのだと感じた。
『今回の最終的な数値』
・走行距離「636km」
・獲得標高「4,917m」
・経過時間「31時間48分」
ゴール後は大阪に在住のフォロワーさんたちを食事の約束をしていたので移動をしなければならない。
元々はゴール後に自走で京都から大阪まで走るつもりでいたが、時間的に遅れていたため移動の方法を悩んでいたところ、大阪で一緒に食事をする予定のフォロワーさんが京都まで迎えに来てくださると言うことでお世話になることにした。
大阪に移動する車の中でもキャノボ談議をしたのだが、この手の話は分かり合える人と話し始めたら止まらなくなるので、大阪までの移動があっという間だった。
新大阪駅近くのホテルまで送っていただき、ホテルの室内に持ち込めるように自転車を輪行状態にする。
部屋で軽くシャワーを浴びて出かける準備を済ませて、フォロワーさんたちが集まっているお店まで歩いて移動する。
大阪近辺にお住いの6名のフォロワーさんが集まってくださり、楽しい食事をさせていただく。
ここでも自転車の話で盛り上がり楽しい時間を過ごさせていただいた。
集まってくださった皆さん、本当にありがとうございました。
翌日の朝はゆっくり起きてから、ホテル近辺を少し散策しながら朝食を兼ねたランチを食べることに。
お腹が空いているのでナン食べ放題のカレー屋さんでナンを三枚もいただいた。
そして駅へ移動しお土産を購入してから広島まで新幹線で帰ってきた。
広島駅からは自転車で自宅まで移動して無事に今回のR9キャノボのチャレンジは終了である。
●終わりに
今回のチャレンジについて、終わってみていろいろ感じることがあった。
半年前の国道1号キャノンボールから自分としては満を持してという感じで今回のチャレンジに挑んだ。
ただ、終わってみると完全に自分の実力不足と準備不足を感じるチャレンジとなった。
『30時間以内完走』という目標を未達成となった要因を自分なりに考えてみたが、一番は事前の走り込み不足だと思う。8月から9月まで外での走行頻度がほとんどなく、9/11の200kmブルベと10/1のブルベ見送りの80kmライドがチャレンジまでにまともに走ったライドだったと思う。それ以外はローラーで身体は動かしていたがやはり走り込みが足りなかったように感じる。
特に暑さに対しての準備と対策が足りなかったのだが、チャレンジ自体が10月ということで寒さへの準備は考えていたがそもそも暑さに対しては全く頭になかった。
本文中にも書いているが、いつもならうまく捌けていた眠気をこのチャレンジ中は捌けなかった原因が暑さからくる汗のかきすぎだと思っている。
あとは終盤の熱中症によるペースダウンもその名通り暑さによるものだと感じている。
やはり外を走る機会を増やして暑さ耐性を上げておかなかった準備不足とそれらを含めた実力不足を強く感じた。
走力の点では、暑さの中でも途中まではそこまで悪くなかったとも思う。
最近意識しているのが『疲れないように走る』なので、足の疲労的なものはかなりイメージ通りだったのではないかと感じている。ただ、体調も含めての走力だし、どんな環境になろうとも最後まで安定したパフォーマンスを出せることが大事だと感じいい勉強になった。
要するに、ここ一番のチャレンジの前にはそれなりのロングを走って準備をしておかないといけないということである。
自分の考えが甘く、何とかなると変な自信を持ってしまったのが、全てを含めての実力不足なのである。
今回のチャレンジはいい経験になりました。
自分にとって足らないものを感じ取れたし、まだまだ強くなる為の伸び幅があると感じることができた。
今後に向けてやりたい大きなチャレンジもあるので、そこに向けて今回の失敗を必ず生かして無駄にならないチャレンジだったと思えるようにしたいです。
今回のチャレンジに関わってくださった皆さん、チャレンジ中応援に来てくださった皆さん、Twitter等でたくさんの応援をしてくださった皆さん、本当にありがとうございます。
そしていつもブログを読んでいただきありがとうございます。
次回のチャレンジもよろしくお願いいたします。
◆ブログの主情報◆
ネーム:たけまさ
年齢:42歳(執筆時)
自転車歴:2016年~
身長:182cm/体重:70kg
【主な自転車チャレンジ履歴】
≪キャノンボール≫
・2019年9月/国道1号キャノンボール(東京⇒大阪)【526km】:23時間30分
・2020年11月/国道2号キャノンボール(門司⇒大阪)【525km】:23時間49分
・2021年6月/国道10号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【459km】:19時間44分
・2021年11月/国道3号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【386km】:15時間21分
・2022年5月/国道1号キャノンボール(大阪⇒東京)【546km】:23時間57分
・2022年5月/国道9号キャノンボール(下関⇒京都)【636km】:31時間48分
≪その他ファストライド≫
・2019年3月/鹿児島⇒広島TT【567km】:25時間57分
・2019年6月/名古屋⇒広島TT【534km】:26時間7分
・2020年10月/広島⇒神戸TT【504km】:23時間25分
・2021年4月/国道10号⇒3号TT【851km】:45時間21分
・2021年9月/広島一周1000kmTT【1005km】:59時間6分
≪エベレスティング≫
・2019年4月/エベレスティング(春日野):19時間23分
・2019年12月/エベレスティング(春日野):20時間14分
・2021年6月/ダブルエベレスティング(春日野):42時間54分
・2022年4月/10kエベレスティング【トリプル失敗】(春日野):22時間11分
大阪⇒東京キャノンボール2022【走行後記~エピローグ】
【準備編~プロローグ】と【走行編(前編)】、【走行編(後編)】はこちら。
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大阪⇒東京キャノンボール2022【準備編~プロローグ】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
大阪⇒東京キャノンボール2022【走行編(前編)梅田新道→静岡】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
大阪⇒東京キャノンボール2022【走行編(後編)静岡→日本橋】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
●ゴールした後
キャノンボールのゴール地点である東京日本橋に到着して、朝早くにも関わらず出迎えに来てくださった皆さんとしばらく話をする。月曜日の朝6時前なので早起きしていただいたりしたと思うと本当にありがたい。
ゴールしたばかりと言うこともあり今回のキャノンボール中の話をするのだが、ギリギリだったと言うネタ的な内容はあるが、ここにいるメンバーがGW中に日本縦断をしたり、1,200kmブルべを完走したり、難易度激高ブルべを連戦したりと凄まじさでいったら自分がかわいく思えるような状況である。ただそんな中でも注目してもらえるということは『国道1号キャノンボール』のコンテンツ力の高さを改めて感じた次第である。
そしてそんな方々にここまで走ってきたことを労っていただけたことがより嬉しく感じる。
この後の天気に関して予想では到着する時間は東京では雨が降り始めているかと思っていたが、曇り空でなんとかもっていると言った状況でいつ降り始めてもおかしくない。ここにはおそらく雨を遠ざける力を持った方がおられることが考えられる。
今回はこの後、東京に1日滞在するため今後のスケジュールを一緒に確認したりもする。
大まかな予定では、この日は東京に1泊して翌日に大阪まで新幹線で戻り、その日中に広島までクルマで帰ることにしている。この後の昼にかけての朝食的な食事と、夜の食事をこちらの方々と一緒にさせていただく感じで大まかにスケジューリングを共有していた。
当初の予定では、まだ朝方と言うことでこの後自転車で東京をウロウロして東京グルメを食べて、少し早めだが12時にチェックインできるホテルを予約していたので、ホテルで仮眠してから夜に集まってくださる皆さんと食事に行くように考えていた。
しかし、ここまでの道中で途中雨に降られたりしているため簡易的な着替えをしたほうが良いだろうとなったのと、この後雨が降るだろうと言うことで一旦ホテルへ事前に送っていた荷物を受け取り、快活でシャワーと着替えをさせていただくことになった。
ホテルと快活への移動も全てエスコートしていただき本当に感謝しかない。
ホテルで荷物も受け取った後、神田にある快活でシャワーと着替えも済ませて、ようやく落ちつたこともあり時間がある皆さんと朝食を取ることになった。
朝食に蕎麦などの案も出たのだが、時刻が『AM8時』と言うことで通勤の方も多くなってきたこともあり、すぐ近くの松屋で朝食を食べることにした。スタート前にも松屋で朝食を食べたのでキャノンボールの前後で大阪と東京の松屋を堪能したことになる。
26時間ぶりにしっかりとした食事だったのでゆっくり噛んでよく味わいながら食べる。
この後、すぐ横にある喫茶店で食後のコーヒーとデザートを頂く。都内の皆さんとゆっくり話をしながら過ごす至福の時間である。
食べ終わってから外に出ると雨が降り始めていた。まだ10時過ぎだったのでホテルのチェックイン時間までで少しゆっくりするため皆さんと別れて快活に入ることにする。
快活のブースに入り、ようやくTwitterをゆっくり見ることができた。
たくさんの方から達成報告ツイートにコメントをいただいていたので、しっかり目を通しながらコメントの返信を入れる。改めて挑戦して良かったと感じた瞬間である。
そうこうしているとあっという間に3時間が経過。
時刻も13時を回っておりホテルにチェックインできる時刻を過ぎていたので、快活をチェックアウトして自転車でホテルまでゆっくり移動する。幸いにも雨がほぼ止んでいたので自転車での移動も問題なかった。
ホテルに到着後、チェックインも無事に完了して3時間ほど仮眠と取った。
17時ごろ起きてから、strava関係での東京の知り合いから連絡をいただき、食事前に少しだけ会えることになったので動き出す。
ホテルがある茅場町のカフェでお会いできて少しの時間だったが、いろんなお話ができとても楽しい時間だった。わざわざ会いに来ていただいたうえ、お菓子までいただきほんとうにありがとうございました。
そこから約束していた夜の食事のため、馬喰町にあるインド料理のお店まで歩いて移動する。
地図を見て近いと思っていたら、思った以上に距離があり、お店に到着したのが約束の19時の3分前。キャノボのゴールと同じ3分前の到着であった。
いつもTwitter上で繋がっている皆さんとの食事なのだが、広島にいる立場として東京方面の方とは会える機会が少ない上、Twitterでのやり取りは常日頃やっているので、独特な感覚がある。
関東に住んでいたらまた感覚が違うのだと思うが、広島という離れた地域に住んでいるためか、スマホの画面上で毎日のように見ているたくさんの有名人に会えた感じである。
今回は東京にあるビリヤニの美味しいインド料理屋を選んでいただいたのだが、ビリヤニはもちろんの事、それ以外のカレーや一品料理もスパイスがいい感じに効いて、本当に美味しかった。
最終的には総勢8名の自転車乗りが集まり、キャノボ談義をはじめ楽しい話に花を咲かせた。
気がつけばあっという間の3時間が経過し、集まっていただいた皆さんと広島で会う約束をしてお開きとなった。
改めて私のキャノンボールのゴールに合わせて時間と取っていただき、そして自転車の繋がりでこんな楽しい時間を過ごせたことに大きな幸せと喜びを感じた次第である。
そしてより大きなやる気と刺激もいただいた。
楽しい時間を本当にありがとうございました。
翌日は昼過ぎの新幹線で大阪まで戻る予定で、特に何をするか決めてなかったので、朝起きてから自転車で東京をのんびり散策してみた。
場所が近いといこともあり、キャノボの聖地である日本橋の国道1号道路元標のある場所に再びお参りし、またいつか来ることを誓った。
その後、皇居近くを走りながらおススメしていただいたおしゃれなお店で朝食をいただいた。人気店でお客さんが多くフレンチトーストとコーヒーがとても美味しかった。
朝食をとった後のホテルに帰る途中、御茶ノ水のラーメン屋さんに以前広島におられた方が居て、その方からTwitterのコメントで連絡をもらったので、急遽会いに行ってみたらタイミングよく会うことができた。
バイトの女の子が私のオルトレを見たことをきっかけにロードバイクに乗っているとのことがその場で判明して、3人で話が盛り上がるということが起きて楽しかった。
ホテルに戻り荷物をまとめてから大阪に戻るため東京駅に移動する。
東京駅では輪行準備をしてお土産を購入してから、大阪までの切符を購入。大阪に向かう新幹線のホームを2度間違えて最後はダッシュをしながら無事に新幹線に乗ることができた。
大阪までの移動は少しだけ仮眠をしてあっという間に新大阪駅に到着。新大阪でもお土産を購入するため少し構内をウロウロする。家族が551の豚まんが好きなので少し並んで無事にゲット。
その後、駅から出て輪行解除をして、クルマを停めさせていただいている場所までのんびり移動する。
クルマに到着後、楽な服装に着替えてから自転車をクルマに搭載して大阪を出発。
結局、大阪を出発したのは『PM18:00』。
途中、サービスエリアでガソリンを給油して子どもたちへのお土産も無事に購入して広島に向けて運転する。
そこからは安全運転で約5時間かけて無事に広島へ到着。
23時過ぎに自宅に到着し、時間も遅くなったので車から荷物を降ろして簡単に片づけをして今回の全ての行程を終了。
これで今回のキャノンボールのチャレンジを無事に完了したことになる。
長いようであっという間の3日間であり、これ以上ないくらい充実した3日間であった。
●チャレンジを終えての振り返り
今回の『大阪⇒東京キャノンボール』を終えて、今年の目標のひとつを達成することができたので本当に嬉しく感じている。
チャレンジを振り返った時に自分なりに達成に繋がったポイントがあったと思うので、簡単に挙げてみる。
まず1つ目は『ストレッチ』である。
これまで何度もブログで書いているが、ロングライド中はいつも腰が痛くなり走りに集中できないタイミングが出てくるのだが、今回はその腰痛の度合いが非常に少なくて最後までしっかり走れた感じがした。特に対策として意識したのが信号ストップ時でのストレッチである。
信号ストップで長く停車するタイミングだと、停まった瞬間に自転車から下りてトップチューブを両手で掴んで腰を意識した屈伸を数回行った。自転車の振動吸収性の良さもあるとは思うのだが、ここまで走りのパフォーマンスに影響したのでストレッチが効果あったのではと感じ、今後も続けてみようと思う。
2つ目は『補給』である。
補給に関しては今までの経験からくるものを自分に合った形で継続しているのだが、今回はいつも以上に体調の浮き沈みが少なかったように感じる。
これだけの時間をファストライドで走っているとどうしても胃腸の状態が思わしくなく、出力が安定しない時間帯が何度か訪れるのだが、今回はその時間帯が少なくそして短かったと思う。
基本的に空腹感を関係なく、定期的にパンやおにぎりと言ったものを食べるようにしていたのと、コンビニストップの時に野菜ジュースを飲んでビタミンをしっかり意識して摂ったのでそのあたりがうまくいったのではと感じている。ただ補給は季節的なものもあるのでもっと自分に合ったやり方を見つけていきたい。
そして3つ目は『ルート』である。
今回走ったルートに関しては、設定したルートを最後まで走り切ったわけだが、ブログでも少し載せたように途中時間に追われた際に時間的に有利なルートへの変更が何度か頭をよぎったタイミングがあった。
全て大雨に打たれた静岡以降の後半の区間だが、最初は『箱根越え→御殿場ルート』である。最近のキャノボのトレンドとして御殿場を走る人が多いと言うことは時間的なメリットがあるものだと思っている。
しかし御殿場ルートに変更してしまうと今回のチャレンジの目的が大きく変わってしまうし、御殿場まわりは走る準備をしていないためコースプロフィールが頭に入ってないので、すぐに考えを改めた。
次は『箱根峠』から『旧道』へ変更する案である。かなり時間的に厳しいと思っていた時間帯だったので、こちらも距離と時間の短縮にメリットを感じて、箱根を登りながら考えた次第である。ただ旧道の方が勾配がきついイメージだったので下りでのデメリットが大きく感じてこちらの案も却下。
結果的にどちらも採用しなくて正解だったと思っている。特にルート変更は事前にどちらでも走れるだけの準備をしておけばありだと思うが、今回の場合はルートに関してこだわりを持っての挑戦だったので別ルートのことはほぼ頭になかった。結果論だが、仮にルート変更をしたとして、達成できた場合も出来なかった場合もどちらでも後悔の念が残ったのではと思うので、自分の判断は間違ってなかったと感じている。
その他にも達成に繋がったポイントはあると思うが、自分として大きかったと感じたのは以上の3つである。
走っている途中のモチベーションも終始、高かったと感じている。これはフォロワーの皆さんからたくさん応援していただいたことが大きかった。
スタート地点と道中、そしてゴール地点で応援に駆けつけてくださったことは当然ながら、Twitterでの応援もすごく力になりモチベーションを高く保ち続けることができた大きな要因だった。
良い時もそうで無い時も、頭の中は焦ることなく比較的冷静に物事を考えることができていたのもポイントだったのではと感じている。
これまでの経験が生きていると感じたし、過去の失敗もここに繋がっていることを改めて感じた。何度も自分なりに走ってきたチャレンジライドが今の自分の集大成として結果に繋がったことが素直に嬉しかった。
●エピローグ
キャノンボールを双方向達成して少し時間が経過したが、既に新しい目標が出来ている。
正直な思いとして、一番達成したかった現実的である大きな目標としてキャノンボールが存在していたので、他なチャレンジへのモチベーションや次の目標が無くなってしまうのではとも思っていたが、全くそんなことはなく既により大きなチャレンジをしたい気持ちが強くなっている。
当面の目標は年初に立てた目標で、まだ挑戦前の『R9キャノボ』と『四国一周』を優先して考えているが、それらとは別の目標として新しい目標が増えている。
新しい目標に挑戦するためには自分にとって足りない部分がまだまだあると思っているので、そこへ向けて経験値を増やすためにも、今年立てた目標はチャレンジして達成したい思いが強い。
今回のキャノンボールも次のチャレンジに必ず生きてくるし、達成のために良い影響を与えてくれると思う。
同系のファストライドで『R1キャノンボール』を超えるようなコンテンツは少ないと思うが、どうせなら引けを取らないようなチャレンジに挑戦したい。
しっかり計画と準備を進めて、チャンスがあれば今年の秋か来年の春あたりにチャレンジに移したいと思う。
内容的に『R1キャノンボール』の延長的チャレンジとなると思っているので、「この時に言っていたことか」と思い返していただくことができればとてもありがたいです。
●終わりに
長くなりましたが、今回の『大阪⇒東京キャノンボール2022』はこのあたりで締めさせていただきます。
自分にとって憧れで念願のチャレンジに挑戦し達成できたことを本当に嬉しく思います。
そして、そんなチャレンジをたくさんの方に応援していただき、達成を祝福していただいたことがこれ以上なく嬉しく次へのモチベーションに繋がっています。
自分がしていただいたことを次の方に繋げていけるように、チャレンジされる皆さんを応援させていただきたいと思います。
そして、また応援していただけるような魅力あるチャレンジに挑戦してきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。
いつもブログを読んでいただき本当にありがとうございます。
◆ブログの主情報◆
ネーム:たけまさ
年齢:42歳(執筆時)
自転車歴:2016年~
身長:182cm/体重:70kg
【主な自転車チャレンジ履歴】
≪キャノンボール≫
・2019年9月/国道1号キャノンボール(東京⇒大阪)【526km】:23時間30分
・2020年11月/国道2号キャノンボール(門司⇒大阪)【525km】:23時間49分
・2021年6月/国道10号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【459km】:19時間44分
・2021年11月/国道3号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【386km】:15時間21分
・2022年5月/国道1号キャノンボール(大阪⇒東京)【546km】:23時間57分
≪その他ファストライド≫
・2019年3月/鹿児島⇒広島TT【567km】:25時間57分
・2019年6月/名古屋⇒広島TT【534km】:26時間7分
・2020年10月/広島⇒神戸TT【504km】:23時間25分
・2021年4月/国道10号⇒3号TT【851km】:45時間21分
・2021年9月/広島一周1000kmTT【1005km】:59時間6分
≪エベレスティング≫
・2019年4月/エベレスティング(春日野):19時間23分
・2019年12月/エベレスティング(春日野):20時間14分
・2021年6月/ダブルエベレスティング(春日野):42時間54分
・2022年4月/10kエベレスティング【トリプル失敗】(春日野):22時間11分
大阪⇒東京キャノンボール2022【走行編(後編)静岡→日本橋】
【準備編~プロローグ】と【走行編(前編)梅田新道→静岡】はこちら
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大阪⇒東京キャノンボール2022【準備編~プロローグ】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
大阪⇒東京キャノンボール2022【走行編(前編)梅田新道→静岡】 - まさゆめ~広島~たけまさのロードバイク日記
『なるさんに撮っていただいた写真』
●前編の終了時
現在の時刻は『21時18分』でスタートからの経過時間は『15時間18分』。ここまでの走行距離は『約370km』。
静岡駅の横を通過し静岡市街地を過ぎたあたりにいるので、これから先には最大の難所である『箱根越え』が待っているのと、『横浜や川崎』といった神奈川の市街地とゴール地点である日本橋までの『東京都内』を走る必要がある。
日本橋までの距離は『約180km』、この道のりを残り時間『約8時間40分』で走り切ればキャノンボール達成となる。
当初の計画から考えると時間のマージンはほとんど無い状態だが、これからの走り次第でマージンを作ることができるか逆に厳しくなるかが決まってくる。
気持ちの中では今までより少しギアを上げて、ゴールに向けて達成の可能性も一緒に上げていきたいと考えながら先に進んでいく。
●【静岡~神奈川】
静岡市街地から海沿いに出て、由比バイパス手前の迷いやすいルートもしっかりケアをし予定通りのルートで順調に進む。
集中できているので分岐地点も問題なくクリアできているし、走り自体も悪くない。
新富士川橋へ向けての分岐もスマホでルートチェックしつつ橋に向かう担ぎポイントもしっかりクリアする。
橋の上はスピードを出しているクルマもいるが、こちらも流れに乗って順調に進んでいく。
ところが新富士川橋を渡り切ったあたりで少し雨が降り始める。この時間帯に雨に降られることは全く想定してなく、浜松付近で降られた感じでそこまで降られることなくすぐに止むだろうと構わず走り続けていたら、雨の勢いが急にひどくなってきた。
信号ストップで充電機器やスマホ関係の水没を防ぐため、フレームバッグや背面ポケットにしまい込む。ステム上でスマホを見れなくなったのでルート確認をどうするか考えて、サイコンに入れていたルートをナビゲーション設定して呼び出す。
まだ時間の余裕があるわけではないし、体調も良かったので少しくらい濡れるのは構わないと走り続けていたが、一向に止む気配がない。むしろ雨脚がひどくなりその状況をツイートする。
写真ではなかなか伝わりにくいがかなりのどしゃ降りである。
あと、雨天でのディスクブレーキの使用が初だったのだが、ブレーキ音の大きさにかなりビックリした。
ブレーキのタッチを感覚的に少しマイルドにしてブレーキ音の響きを抑え目にする術を身に付ける。
心境としては、なるべく止まりたくないがこの後に箱根を控えているので、雨の中を走り続けてそのまま箱根を登って身体を冷やしたらかなり危険になるのではと考えたりしていた。
ただ箱根の登りまで雨が止まないとなるとそもそもペース的に達成は厳しいので雨が弱くなることを期待して出来る限り前に進んでおこうという考えが優先する。
しかし、しばらく走っても雨の勢いが弱まる様子がないので、イオンタウンがあるバイパス分岐の先の高架下で一旦ストップして雨宿りをする。
「まずいな」と思いながらも出来ることをするべきなので、反射ベストの下にウィンドブレーカーを着て、フレームバッグの中の機器類をハンドタオルで拭いたりして手を動かす。
約15分程度止まっていたと思うが、雨が少し弱まってきたと感じたので再び雨の中走り始める。
走ってみると思ったほど雨が弱まって無かったので、少し走ったあたりにある吉原駅の駐輪場に屋根があったのでもう一度雨宿りをする。ここからどうするかを本気で悩む。雨に会うまでの計画でかなりギリギリだったのでこの雨宿りでその計画も完全に崩れた。このまま雨が止まないようなら達成は不可能なので、時間外完走に切り替えた走りをすることになる。ただ雨のまま箱根に向かうのは危険なのでルートの見直しも考える必要があるのではといろんなことを考える。濡れた靴を脱いで、ビショビショになっている靴下を絞って履きなおしたりする。
5分程そんなことを考えていたら、今度こそ雨が弱まったように感じた。
雨が止みさえすれば時間外でも箱根を越えることはできるので、まずは先に進めると走り出す準備を整える。
よく分からない日本語でのツイートをしている。
ちなみにスタート前に足にも『プロテクトJ1』を塗っていたのでほとんどふやけることなくカバーできていた。しかし濡れているのに変わりないので靴の中はぐちゃぐちゃである。
小雨の中、再び走り始め沼津市街地を進んでいく。
気持ち的には焦りも無く、「この状況はかなり厳しいんだろうな」と冷静になっている。
この先の状況が天気的にも不透明なのと、箱根越えによる時間の読みと首都圏の混み具合も不透明なので、良くも悪くもゴールまでの時間の読みが立てにくいのである。だからこそ明確に『達成を諦める』と言う判断の線引きを今の段階でするべきではないと考えている。
「とにかく箱根の登り口についてからその時の状況で考えよう」と前に進む意思を持つ。
沼津を過ぎるあたりではかなり雨も弱まり、その先の三島に入ったあたりでようやく雨が止んだ。
「まずは箱根の登り口へ」を頭にペースを上げて進んでいく。
完全に雨も止んだので、スマホをステム上に戻してハンドル周りを再び元のセッティングに戻す。
そして箱根登り口のセブンイレブンに着いたのが『23時55分』。急いでトイレと補給を済ませる。
達成を見込んで走るとなると、走行時間はあと『6時間』。出来る限りこの先のストップ回数は減らしたいので補給を多めに持って走るのが定石だと思うが、ここからは箱根の登りである。可能な限り軽い状態で登るべきなので持って走る補給も一瞬で判断して選りすぐる。
水は十分あるし、補給食も細かいものが揃っている。ここではヨーグルトと野菜ジュースを摂取して、コーラと大福を背中に入れて補給終了。
ここまで『約18時間』経過で、走行距離は『約420km』。
日本橋までは残りの距離は『約125km』で、この距離を『約6時間』で走る必要がある。
当初の計画より1時間遅れなので、完全に達成ペースから遅れを取っている。しかし先ほども言ったようにここから先は箱根と都内を含んでいるので時間の読みが難しい。例えばこの時点で要求グロスが『24km/h』となっていたら不可能と判断するが今の段階で『21km/h』なので、まだここで判断するべきではない。
状況だけで考えると、可能性的には五分五分か少し分が悪いとは思っているが体調は悪くないのでその先の可能性はここからの自分次第である。
ここからの作戦は、「まずは箱根を少し頑張って登りきる」⇒そこでの時間次第で先をプッシュするべきか判断する⇒さらに先は残りの距離と時間で都度判断する。と言った感じである。
『残り時間、体調、補給食、ドリンク、装備』今手元にある駒を最大限に活用して勝機を見出すことができるかにかかった局面である。
スタート前にも書いたように、安全第一で走り切るのが大前提なので、『箱根を登り切った時点』または『その後の切りの良いタイミング』で要求グロスが『25km/h』をオーバーする等、安全な範囲内での達成が無理と判断すれば自分なりにしっかり線引きをして、その時のための心の準備も進めておく。
その意味合いで言うと、先ほどの大雨がもう一度やってきた場合には時間的にも交通環境的にも一気に危険度が増すので達成に向けての走りは止める判断である。
これからの登りにむけてウィンドブレーカーを一旦脱いで、箱根を登り始める。
標高800メートル超を約20km登ることになるので、頭の中で単純計算して、平均斜度は4%ほど。思ったより勾配はきつくないなとポジティブに考えて登っていく。
当初の予定ではパワーを180w前後で登る予定でいたが、今の状況でそれでは遅いと思って200w前後で少し頑張って登る。前半は結構いいペースで登っていく。道路も綺麗で走りやすいし、標高が上がっても登りで身体が暖まっているせいかまったく寒さを感じない。この辺りは雨がほとんど降っていなかったのか、ほぼ路面が乾いている。
中盤以降、少し疲れが見えてきたがコーラを飲んだりお菓子を食べながら軽いギアをひたすらクルクル回す。
途中、予定していたルートではなく『箱根旧道』に進んだほうがたしか距離が短かったはずと考えたりしたが、予定していない不確定なルートを走ることはリスクもありそうだと感じて自分の考えを却下する。
余裕があれば気楽に登るのだが、いまは少しでも早く登り切りたい気持ちなので、そうなると余計に登りが長く感じる。ここまで応援していただいたこと等を思い出しながらなるべく前向きな心境で登るように気持ちを切り替える。
そして1時間以上登り続けて、ようやく最初のピークである神奈川県への県境の『箱根峠』に到達。
ここでは止まることなく、そのまま下りに入り先にある2つ目のピークを目指す。短い下りを終え芦ノ湖の横を通過してもう一度登り区間に入る。ここを登りきればこの先にまとまった登りはないともう一度ペースアップしてピークを目指す。
そしてついに『国道1号最高地点』に到達。余裕がないのは分かっているがツイートしたいので急いで写真を撮ってピーク到達のツイートをする。
この時点で走行距離は『442km』で『19時間34分』が経過。
残り『約105km』を『4時間25分』で走る必要がある。要求グロスが『約23km/h』なのでここから約15kmの長い下りを考えるともう少し要求グロスが下がるはず。
気温は10℃を超えているので想定していたほど寒くはないが、汗冷えが恐いのでウィンドブレーカーだけ着て長い下りに入る。
幸いにもライトを2灯体制にしていたので2灯とも光量をマックスにして安全マージンを取りながら下っていく。
箱根峠を越え神奈川に入ってからクルマがほとんど走っておらず、路面も乾いていてとても走りやすい。登っている時は割とクルマが走っていたのでクルマは分岐で旧道にむけて行ったのかなと考えたりする。
集中した走りで、かなり良いペースで箱根湯本の駅あたりまで降りてきて、「達成の可能性がまだギリギリ繋がった」と感じた。
麓辺りは寒くないので信号ストップのタイミングでウィンドブレーカーを脱ぎ走りやすい格好で先に進む。
しかしここからは平坦区間だが事前の風向き予報では弱めの向かい風となっている。
小田原を通過して海岸線沿いを走るのだが、たしかに若干向かい風が吹いているが、夜間なのでとにかく走りやすい。トラックは多少走っているが信号も少ない上、路面も広くて綺麗なのでスピードが乗る。自分の身体の調子の良さを信じて頑張る区間。
大磯駅を過ぎてからは茅ヶ崎にむけて海沿いの道を走る。この区間は防風林が並んでいるので向かい風の影響が少なくてさらにペースアップして進んでいく。
藤沢市から戸塚に向かっては少し信号も増えてきた。信号ストップでは変わらずストレッチを繰り返し、走りに集中するため発信は控えているがストップ時間が長いときにはTwitterのコメントへ返信したり、タイムラインを覗いたりして気分転換もする。
こんな夜中なのにコメントを下さったり、状況を見てもらえていることに本当にやる気をいただいている。
戸塚通過中に経過時間が『22時間』になるので状況をツイートする。
この時点で残り距離『約40km』を『約2時間』で走れば達成ラインなので、要求グロスが『20km/h』まで盛り返した。
ここからは『横浜→川崎→東京都内』と信号峠が待ち構えているので、これからの1時間でどれだけ走れるかで達成できるかどうかが決まってくる。
自分の中で、この1時間で『22~23km』走って、残り1時間で『17~18時間』まで持っていけたら達成が現実的だと計算をする。
ここまで何とか達成の可能性を繋げてこれたので、この先も集中して走る。
箱根登り口のコンビニから補給休憩をしていないが、今ある補給であと2時間は十分凌げると判断する。
引き続き達成に向けてプッシュを続ける。
空がうっすらと明け始め、横浜の市街地に突入する。予想通り信号が多いが少しでも前に進むためにインターバルを繰り返す感じ。ただ明らかに信号が多く繋がりが悪い時には都内の最終局面に備えて無理はしすぎない。
横浜駅を過ぎたあたりで、『びいよんさん』に迎撃していただく。
こんな朝早い時間にかかわらず、本当にありがたい。しばらく後ろを少し離れて一緒に走られて、信号で停まった時に世間話をしてブルべ未経験ということだったのでブルべにも勧誘してみた。
さらにその先の鶴見川手前のコンビニで『もっち~さん』に迎撃していただく。
途中の雨で濡れたのを心配していただき、「タオルや着替えを使われますか?」と大変ありがたい言葉をかけていただくが、ここまでの走りでほぼ乾いていたのとほとんど気になっていなかったのでお礼だけ伝えて、大きなエールをいただき再び走り始める。
一応キャノボの作法としては全て自己完結のノーサポートが基本だと理解しているのだが、実はこの気持ちやお気遣いが本当にありがたく、そういった思いを感じるだけで頑張る力となっているのは間違いない事実である。
『びいよんさん』ともこの先でお別れをして、川崎市を走り抜ける。
この区間、軽快に走っているように見えるかもしれないが、信号の繋がりが最悪でとにかく信号ストップの繰り返しである。
ただ、身体の調子は変わらず良いのでペースとしては達成に向けてぎりぎりのスピードを保つことができている。
そしていよいよ東京都に向けて多摩川を超えるために六郷橋手前に差し掛かる。
少し分かりづらいが迷うことなく側道に入り、歩道から橋への自転車押し区間を経て六郷橋に到着。
ここで『神奈川県』が終了。
この時点でちょうど『23時間』が経過。走行距離は『約528km』。
ゴールの日本橋まであと1時間で『約17km』。
ここまでギリギリで繋いできた可能性が、いよいよあと一息のところまでやってきた。
●【東京~日本橋】
六郷橋に入った瞬間、こっちに手を振る人がいる。
『はやとさん』に迎撃していただき、最終局面にしてテンションが一気に上がる。
はやとさんはママチャリで後ろを追走してくれる。
『東京都』に入り、六郷橋を渡り終え、少し複雑な橋の出口からメインルートに復帰。
信号ストップのときにはやとさんと会話をする。
少し余裕そうに見えるが、はやとさんに会ったことでテンションが上がっているためこの表情である。はやとさんとは昨年末に山口から東京まで自転車で走られていて広島を通過されたときに少しだけお会いできて、その時に「東京で会いましょう」と話をしていて半年ぶりに約束を果たせたので本当に感慨深い瞬間なのである。
しかし感動の再開をゆっくり味わう時間もないので先を急がないといけない。
はやとさんから「これからの時間帯は通勤のクルマを通しやすくするため信号が繋がるはず」と教えていただく。
その言葉通り品川区を過ぎるあたりまでかなり良い感じで進むことができた。ロードでガンガン踏んでいたのでけっこう速度が出ていたはずなのだが、ママチャリで少し距離をとり後ろをついてくるはやとさんは凄かった。
別れ際『この調子なら絶対にいける』とエールをいただき、達成を心に誓って都内を突き進む。
テンションマックスで、身体も調子がよくガンガン踏める。しかし頭の中は冷静で、達成に向けての計算をしている。
残り『1時間で17km』なので5分のマージンを残しておくと考えて、23時間25分の時点で残り10kmなら達成ラインだと計算する。
信号の量も増える中、ストップする頻度も増え始める。このあたりでは信号の状況問わず青信号に変わった瞬間、スタート&ゴーでインターバルの繰り返し。
計算していたより少し前よりに進むことができ、残り『40分弱』を残して、日本橋まで『約10km』のところまでやってきた。
自分の中で達成を確信したのはこのタイミングだったと思う。
それでも最後まで何が起こるか分からないのでまだ気を緩めない。このあたりで達成した場合のことを考えて、信号ストップしたときに達成ツイートの下書きを作り始める。
ただ、これは決して余裕があるわけでなく、以前のR2キャノボ達成時にゴール後の達成ツイートが中途半端になってしまった記憶があるので、なるべくゴール後に早いタイミングでちゃんとした報告がしたいという備えの気持ちからである。それをすることが出来るくらい日本橋に近づくにつれて信号に捉まる様になっている。
日本橋まで残り『5km』の地点であと『約20分』。事故だけは無いように安全運転を意識して少しペースを落とす。それと同時に気が緩んだのかハンガーノックなのか、力が抜ける。
あと一頑張りなので、自分の中でもう一度気を引き締める。
残り2kmを切り、新橋を過ぎたあたりで『Tonyさん』に迎撃していただく。軽く挨拶をして、ゴールまで距離を開けて後ろを走られる。
銀座から京橋を抜けるがここにきて信号の数が半端ない。これが名高い『信号峠』と認識する。
しかし持ち時間的に焦る必要はないので、最後はマイペースで日本橋を目指す。
そして少し先にゴール地点である日本橋が見えてきた。
『Tonyさん撮影の画像』
最後の信号をクリアしたところで、日本橋の奥に何名かの人が手を振っているのが見える。
その姿を見て日本橋に到着したことを強く実感した。
これ以上ない出迎えを受けて日本橋に到着。
この瞬間、大阪東京キャノンボール達成である。
到着時刻は『5月16日の午前5時57分』。大阪の梅田新道をスタートして、ここまで来るのに要した時間は『23時間57分』。走った距離は『545.6km』。
タイムリミットの3分前到着だった。
●ゴール後
ゴールした瞬間は『mioさん』とハイタッチ。
その流れで、国道1号の道路元標レプリカがある場所で歩道に上がる。
『ふぃりっぷさん』と『じーにょさん』に促されて道路元標前で記念撮影。
ヘルメットや反射ベストを脱いでリラックスしかけて、報告ツイート用の写真が無かったので改めて自分のスマホで写真を撮ってもらう。
そして先ほど準備していた下書きをベースに素早くキャノンボール達成の報告ツイート。これで一安心である。
報告ツイートをした後、自転車を立てかけて少しゆっくりしていると、『15さん』も駆けつけてくれた。
10日ほど前に広島でお会いしていただけに感慨深い。
通りがかりの方がありがたいことに写真を撮ってくださった。
その後に『オフロスキさん』もゴール地点に来てくださり、本当にありがたい。
出迎えに来てくださった皆さんと話をしていると、改めて達成した喜びを感じる。
こんな朝早くに自分のために出迎えに来てくださったことに本当に感謝の気持ちが大きかった。
最後まで頑張って本当に良かった。
達成感と安堵感が程よく相まって、自分にとってこれ以上ない最高の『キャノンボール達成』となった。
●終わりに
【走行編(後編)】はこのあたりで締めようと思います。
まだゴール後の東京での滞在もあるので、別でエピローグ的なものでまとめをしたいと思います。
応援してくださった皆さんのおかげで最後まで頑張ることができ、大阪東京キャノンボールを無事に達成することができました。
スタート地点、ゴール地点に来てくださった皆さん、道中迎撃してくださった皆さん本当にありがとうございます。
簡単に振り返ると、静岡での大雨にあうまではかなり順調でなんとかなると言った思いがかなり強かったです。
しかしキャノンボールはそんなに甘いものでは無く、少しのきっかけで状況が一変しました。
そこからは明確な達成ラインが見えなくなり「達成は厳しいか」と何度も思いましたが、何とか可能性を残し繋げ続けた結果、達成することができました。
『STRAVAデータ』
ここまでギリギリのゴールになるとは思ってなかったので自分でも緊張感を切らすことなく走り抜けることができました。
プロローグでも書きましたが、このルートは自分にとって憧れのルートで思い入れも強いルートでした。
過去にこのルートを開拓し走行して達成、完走をされた全ての方々に改めて敬意を表して、今回の締めとさせていただきます。
ゴールしてからの東京での内容や広島までの様子に関しましては『走行後記(エピローグ)』として書いていきますので、引き続き読んでいただければと思います。
今回もここまで読んでいただきありがとうございました。
◆ブログの主情報◆
ネーム:たけまさ
年齢:42歳(執筆時)
自転車歴:2016年~
身長:182cm/体重:70kg
【主な自転車チャレンジ履歴】
≪キャノンボール≫
・2019年9月/国道1号キャノンボール(東京⇒大阪)【526km】:23時間30分
・2020年11月/国道2号キャノンボール(門司⇒大阪)【525km】:23時間49分
・2021年6月/国道10号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【459km】:19時間44分
・2021年11月/国道3号キャノンボール(門司⇒鹿児島)【386km】:15時間21分
・2022年5月/国道1号キャノンボール(大阪⇒東京)【546km】:23時間57分
≪その他ファストライド≫
・2019年3月/鹿児島⇒広島TT【567km】:25時間57分
・2019年6月/名古屋⇒広島TT【534km】:26時間7分
・2020年10月/広島⇒神戸TT【504km】:23時間25分
・2021年4月/国道10号⇒3号TT【851km】:45時間21分
・2021年9月/広島一周1000kmTT【1005km】:59時間6分
≪エベレスティング≫
・2019年4月/エベレスティング(春日野):19時間23分
・2019年12月/エベレスティング(春日野):20時間14分
・2021年6月/ダブルエベレスティング(春日野):42時間54分
・2022年4月/10kエベレスティング【トリプル失敗】(春日野):22時間11分