広島県一周1,000㎞チャレンジ
●チャレンジするにあたり
今回のチャレンジはキャノンボールでもなく、ブルべでもなく、エベレスティングでもなく、ただただ単純なオリジナルチャレンジである。
3連休が取れたので何かチャレンジしたかったが、緊急事態宣言中と言うこともあり、県内で完結できるチャレンジを計画してみた。
トリプルエベレスティングも考えたが、前日の睡眠時間を除いた有効時間を考えると使える時間は初日の5時から3日目の0時で考えると『約67時間』の計算になる。
翌日仕事のことを考えて頑張っても『70時間』が限度となる。
トリプルエベレスティングの時間を簡単にシミュレーションしてみると『シングル(19時間)+ダブル(21時間)+トリプル(24時間)+睡眠(4時間)』で『約68時間』の計算になる。
時間的にかなりシビアだし、何が起こるか分からない状況でタイムオーバーも悔しい思いをしそうだし、さらには翌日の仕事に影響が出てしまってはよろしくないと判断して、今回のチャレンジはもう一つの案として計画していた『広島県一周1,000kmチャレンジ』にすることにした。
●広島県一周1,000km
今回のルートは広島県内だけを走るのだが、広島に住みながら7割くらいは走ったことが無いルートだと思う。
ただ県内を走っているため、万が一のことがあっても最短ルートで帰ればそこまでの距離にはならないと思うと多少は安心感がある。
そしてチャレンジの決め手は、今まで1,000kmを走ったことが無いのでその1,000kmを走ってみたいというのがある。
ちなみに島を入れずに広島県をぐるりと一周したら距離は約600kmである。
以前AJ広島の600ブルベで『Around Hiroshima』というルートで開催されたことがあると聞いたことがある。
今回は自走で行ける島は全てルートに入れているつもりなので距離も1,000kmとなっている。
これは狙って1,000kmにしたわけでなく、ルートを引き終わったらちょうど1,000kmになったのである。
なので、島を渡るための橋を通る時だけ行き帰りでルートが重なるが、それ以外は同じ道を走ることはないルートとなっている。
今回の目標時間は『60時間』に設定。
見た目以上にアップダウンのあるルートだと思うので時間のイメージとしては『400km(20時間)+仮眠(4時間)+400km(20時間)+仮眠(4時間)+200km(12時間)』で『60時間』で考えてみた。
今まで計画的な仮眠を入れたチャレンジをしたことが無いので、今回はおおよそではあるが仮眠を前提で計画を立ててみた。
この走りができたら、もう少し長い距離への可能性も出てくると思うので、その辺りのテスト的なチャレンジになればと言う思いもある。
以上の理由で今回の1,000kmチャレンジを決行してみた。
●スタートまで
スタートは9月26日(日)のAM5:00予定。
前日、仕事を終えて帰宅してから翌日の準備を完了して21時頃に就寝。
当日AM3時過ぎに起床して準備を始める。約6時間の睡眠が少ない気もするが計画としては予定通りである。
買っておいた朝食を食べて、着替えを済ませてからAM5時前に家を出る。
スタート地点の家の近くの交差点についてGARMINのサイコンを立ち上げようとしたらうまく立ち上がらない。
電源ボタン長押しで反応しないので少し焦ってボタン全押し&長押しすると無事に起動して一安心。
予定より少し遅れて『AM5:15』にチャレンジスタート。
●~100km
スタートしてからはしばらく市街地走行。
夜間でも大通りなので信号に普通に捕まりながら走る。
今回は先の先の先まで考えてペースはいつものロングチャレンジより1割減で走ると決めている。
ちなみに登りはパワー値参考で220W以上は出さないつもりで走る。
とにかく身体を労わりながら焦ることのないようにと心がける。
広島市内から廿日市市までは走り慣れた道を問題なく走る。走り始めは暗かったが宮島あたりでは空も明るくなり始めていた。
ただ走るのも面白くないのでTwitterでツイートするのに宮島の対岸の『宮島口』で写真を撮る。
『廿日市市』から『大竹市』に抜けて山口県との県境付近まで行き国道2号を離れて北に進路を変更し徐々に登りの区間に入る。
山なので信号はないが登り区間なのでスピードは上がらない。
平均速度が下がっていっても気にせずマイペースで走る。
日曜日と言うこともあり、山の中をガンガン走るバイクが多く自転車の登りでのスピードがいかにゆっくりなのかを感じさせられた。
途中、勾配表示『7.7%』の標識を2か所見つけたので特に意味はないが写真を撮ってみる。
スタート時に持っていた大福を食べながら空腹にだけは気を付けて『100km』付近の吉和町に到着。
あと10kmくらい走ったところにコンビニがあるのでそこでしっかり補給することを考えながら走る
●100km~200km
予定していた戸河内にあるローソン・ポプラに到着したのでここで補給休憩。
ここまで110㎞を約5時間なので、ここまでの登りを考えたらわりと予定通りで走れているかなと言った感じ。
このコンビニに寄った目的は『ポプ弁』である。
最近Twitterでよく見るワードなのでここで『ポプ弁カレー』でしっかり補給を取る。
朝からカレーを食べて、お腹もいっぱいになり再び走り出す。
まだ序盤なので登りは頑張りたくなるが我慢してペースを上げないようにする。
芸北町でトイレ休憩を挟んで、先にある大朝町のコンビニを目指して走る。
このあたりでTwitterでフォロワーさんから予定のルートが通行止めだと教えていただき、迂回ルートを考えがら走る。
そして大朝町のセブンイレブンに到着。
時刻も14時をまわり気温も上がっているので、水分も補給する。
この後はかなり先までコンビニが無いので出発前にパンとおにぎりを買って背中に入れておく。
予定では170km先までコンビニはない。
休憩していたら猫が寄ってきたので少し戯れてから、再び走り出す。
予定ルートから変更して、一旦千代田の街中まで南下してから東方向に向かって元のルートに合流する。
少し距離が増したが、無事に予定ルートに復帰することが出来た。
●200km~300km
走行距離も200kmを超えて『三次市』の山の中のアップダウンを紅葉していたら綺麗だろうなと思いながら淡々と走る。
登りが多いといつものように腰が痛くなり始めるので、下りで腰のストレッチをしながら痛みを和らげながら走る。
250km走って経過時間は12時間5分。
トイレ休憩のため道の駅によってジュースで喉を潤す。
『庄原市』に入ってからも山岳区間は続き標高の高い場所に向けて進んでいく。
時刻が19時を過ぎてあたりが暗くなり、気温も下がってきたので一度道の駅に入ってウィンドブレーカーを着用する。
休憩を挟むと身体が一気に冷えるのですぐさま走り出すが、1kmくらい下りを走ったところで顔周りに違和感を感じアイウェアが無いことに気づき、道の駅へ引き返す。登りなので気持ち的に少しつらい。
上着を着るときにアイウェアを落としたのは覚えているがそれを拾った記憶はないので、その場所に行くと案の定、アイウェアが落ちていたので拾ってからもう一度再スタート。
ここから今回のルート上で一番標高が高い『比婆山』近くの山岳区間を通過。
想像以上の獣道であたりは本当に真っ暗。道幅も狭く小石や落ち葉で荒れていてガードレールも無いのでライトの光量を二つともマックスにして注意しながら走る。
登りは勾配もきつくスピードが上がらず、下りは常にブレーキでスピードが上がらない。
途中、鹿やハクビシンみたいな動物にも遭遇しつつピークを越えて、少し下ったところで走行距離も300kmを超える。
経過時間はちょうど15時間。
●300km~400km
今回のルートでのピークポイントを越えたとはいえ、まだまだ続く山岳区間。
備後落合まで下った後、道後山にむけてアップダウンを延々と繰り返す。
ようやく下り基調になりつつ、もう少しで次の補給ポイントなので少し頑張ってみる。
腰の痛みに加え肩や首回りも疲れ始めているので、なるべくリラックスする時間も入れて走るようにする。
久しぶりの街中の雰囲気に喜びを感じながら、東城のセブンイレブンに到着。
実に175kmぶり、時間にしたら9時間半ぶりのコンビニである。
補給には走りながら食べたいと思っていた牛丼と汁物が欲しかったのでどん兵衛でお腹を満たす。
まだ走行距離は『359km』なので全体の3分の1ほどではあるがこの先は補給の難しいポイントはそこまでないので、少し安心感があった。
長めの休憩をした後、神石高原町に向けて再び登りメインの区間を走る。
東城を抜けたら下り基調だと勝手に思い込んでいただけに、期待を裏切られた登りはなかなかきつい。
神石高原町に着いたあたりでここまで迂回等もあり予定より10km以上距離が増していたので、福山に向けての下りのルートを予定と少し変更して国道182号を走ることにする。
それでも山道には変わりないのでライトの光量を強めにして安全に下り基調を進んでいく。
●400km~500km
『福山市』の神辺まで下りてきて、ようやく街灯もたくさんで安心して走ることが出来る。
集中して走っている時間が長かったのでいろいろと疲れが出始めている。
コンビニに寄って少し休憩。
プリンとドリンクだけで再び走り始める。
予定では400kmくらいで仮眠休憩を取るつもりでいたが、眠気は全くないのでまだ走ることにする。
道の駅があればそこで1時間くらいゆっくりできればいいかなと思って近くの道の駅を確認してみたら50kmくらい先の福山の沼隈町に道の駅があるのでそこまで行ってみようと走り始める。
ところが10kmほど走ったあたりでライトのVolt400がバッテリー切れになる。
一灯外して充電しながらVolt800のみで走っていたらなんとこちらもバッテリー切れになった。
山間部が真っ暗だったのでダブルライトを光量マックスで走っていた負担がここで一気にやってきた。
時刻はまだAM3時過ぎなのでまだあと3時間はライトがないと走れない。
どうしたものかと考えて、明るくなるまで休憩しつつ翌日の夜間の為にライトを充電しなければいけないと思い、ネットカフェに入ることを考える。
検索すると福山市内にいるということもあり、運よく3kmほどのところに快活クラブがあった。
ライトはモバイルバッテリーで充電を交互にしながら乗り切って無事に快活クラブに到着。
チャレンジ中に輪行袋を使って自転車を収納したことがいままで無かったので少し手間取りながらも何とか荷物をまとめて快活クラブに入ってフラットの部屋に荷物を入れ込む。
収納時にボトル2本が邪魔になるので外したがそれを持っておくのが難しい。あとは必要なものはフレームバッグから出しておいたので問題ないが携帯用のサコッシュが小さすぎて荷物の管理が難しくて大変だったのでいい勉強にはなった。
ホッとしたら眠気がきたのでとりあえずシャワーを浴びて歯を磨き、ビブショーツとインナーシャツを手洗いして絞れるだけ絞る。そして部屋の中に干しておく。
ウィンドブレーカーの下があったのでそれを履いて仮眠をとるために横になる。
ライトは充電ケーブルが2本あるので2個とも充電して、サイコンだけモバイルバッテリーから充電しておく。
快活に入ったのが『AM4:05』で寝れる状態になったのがおそらく30分後。2時間ほど寝れたらいいかなと思いアラームをセットして目をつむる。
アラームが鳴る前に目が覚め、おそらく1時間40分くらい寝れたと思う。
凄くすっきりしたのでシャワーを浴びてさっぱりしてから、無料の朝食でパンとポテトとコーンスープをいただく。
充電していたライトを回収してから荷物を簡単にまとめて、乾き切ってないビブショーツとインナーシャツを着て走れる格好になり快活を精算。
退店時刻が『AM7:32』だったので、滞在時間は『3時間26分』。
前後の入店と退店の準備まで含めると約4時間ほどの滞在だったと思う。
駐輪場の空いたスペースで自転車を組み立てて、『AM8時』に再出発。
ここまでの走行記録的には『走行距離:約430km』、『経過時間:約26時間45分』。
元々の予定では400kmを20時間で走って4時間仮眠休憩で考えていたので、少し予定より遅れている感じではある。
しかし、ここまでの山岳区間に対してここからは海沿いなのでペースは少し上げれるのではと期待を持って走り始める。
海沿いを走り、『鞆の浦』によって記念撮影。
そこから少し走ったところにある橋で渡れることのできる『田島』と『横島』の外周をぐるりと走る。
この島の外周はなかなか厳しいアップダウンがあり、思った以上に足を使ってしまう。
今回のルートは自走で行ける島は全て制覇し外周を走る計画なので今後の島の数を思うと簡単ではなさそうである。
本土に戻り少し走った尾道手前の松永あたりで海沿いを走っていると、ロードバイクに跨った二人組がいたので軽く会釈をしつつ顔をみると、なんと同じ会社に勤めている福山地区におられる方たちだった。
ロードバイクに乗っているのはお互い知っていたのでよく話はしたことあるが、実際に自転車に乗っている状況で会うのは初めてなのですごい偶然ではある。
少し話をして今回のチャレンジのことを伝えてエールをいただき別れる。
そして少し行ったところでお腹もすいていたのでコンビニ休憩。
暑い時間帯なので冷製パスタとドリンク、あとは水を補給する。
走行距離はようやく半分の『500km』に到達。
経過時間も『29時間47分』なので、目標時間『60時間』のほぼ半分なのでペース的にはちょうどよいと言うことになる。
疲労的にはしっかり仮眠もとっているので悪くはない。
ただリセットされたわけではないので、抑えたペースで走ることに変わりはない。
●500km~600km
やはり島へのアプローチのための橋へのアップダウンはなかなかこたえる。
『向島』に入り、外周の東側を走っていたらTwitterのフォロワーの『すぎちゃん』が仕事の昼休憩だったみたいで応援に出てきてくれた。
少し話をしながら、これから走る島の外周の状況を教えてもらって次の島である『因島』に向かう。
『因島』も何度か来たことはあるが外周を走ったことはなく、走ってみるとなかなかのアップダウンが待ち構えていた。
アップダウンの途中にある公衆トイレで少し休憩。
その後少し疲れも出始めて、暑さも厳しくなってきたのでコンビニでアイス休憩も入れる。
そこから『生口島』に入って同じく外周を走る。
生口島はそこまでアップダウンが無く走りやすい。
いつもは次の島の『大三島』に向けて『多々羅大橋』を渡るのだが、そこから先は『愛媛県』となるため、今回は橋の下を通過する。
生口島の北西にはもう一つ島があり、きっちりその島にも入って外周を回る。
『高根島(こうねしま)』という島で大きな島ではないが外周は少しアップダウンがある。
島をぐるりと回って再び生口島に戻る。
お昼ご飯を冷製パスタにして先ほどのコンビニでもアイスだけにしておいたのは、瀬戸田にあるコンビニに寄るため。
ついに到着『ポプラ瀬戸田店』である。
ここのポプラは最近では珍しい赤い看板のポプラなのでテンションが上がる。
ポプ弁を買って、ご飯を大盛りにしてもらう。
ちなみにポプ弁の大盛りは無料です。(特盛は有料)
まだまだ先は長いのでしっかり食べてお腹を満たす。
走行距離『581km』、経過時間は『34時間25分』。
食事を終えて走り出して、少し行ったところで再度『因島』に戻る。
そこから因島の西側を走り、しまなみ最初の島である『向島』に到着。
このあたりで走行距離が『600km』を突破。時刻は『17時』を越えて気温も落ち着いてくる。
●600km~700km
向島まで戻ると尾道まであと少しと思いがちだが、向島の西側には『岩子島』と言う小さめの島があるのでその島も外周を回って、再び向島に戻る。
少し走ったあたりで誰かいるのがわかり停まると『すぎちゃん』が2度目のお出迎えをしてくれた。
しまなみ区間約120kmの感想を伝えて、走り出す。
ちなみにしまなみ海道のルートはこんな感じ。
向島を走り終えて本土に戻るころには時刻も『18時』前に差し掛かりあたりが薄暗くなり始めている。
今回のチャレンジで2度目のオーバーナイトとなる。
ポプ弁の補給が回り始めたのか、脚の調子も良くペースが一気に上がる。
無理をしすぎたら後が恐いので頑張れるペースで『三原』から『竹原』にむかって走る。
前回のコンビニ休憩から約4時間が経過したので、竹原に入ったあたりで休憩のためコンビニ入って温かいスープとヨーグルト、ドリンクをいただく。
休んでいるとここでAJ広島の代表が応援に来てくださって、この後走るルートについて情報をいただく。
元気をいただき、この先の竹原の海沿いを走り出す。
ここからは走ったことのないルートをしばらく走る。
街灯が少ない暗くて狭い道なのでスピードを上げすぎず安全に走る。登り区間を終えたあたりの安芸津手前でいつものメインルートに復帰する。
そこから少し走ったところにある『大芝島』に橋を渡り突入。
島側の橋へのルートが激坂で下りも大変。この島は外周が何にもなく、所々海側にガードレールが無い狭い道もある。
ライトをマックスにしておかないと海にダイブしかねないので慎重に走る。
橋のふもとに無事に戻り、橋への急な坂も何とか上り本土に復帰。
そこから安浦を走っているところで少し雨が降ってきた。幸いに一瞬の小雨で済んだので問題はなかった。
そして側道にハザードランプが点滅している車が停まっていたので確認してみると、AJ広島でお世話になっている『こなきさん』と『くるぱんさん』が応援に来てくださっていました。
しかもお弁当と温かいお茶までいただき食事を兼ねて休憩しながらいろいろお話をしました。
この後、とびしま海道に入る手前で長めの休憩を取ろうとしていたのでちょうど良かったです。
●700km~800km
Twitterでも呟いたのだが、実は僕はとびしま海道を走るのは今回が初めてになる。
広島に住んでいるのにとびしまを走ったことないのは自分でも意外である。
しかも初めてのとびしまが真っ暗な暗闇の中。
時刻は『23時』を回ったあたりで、安芸灘大橋を渡る。
とびしまはとにかく走りやすい。外周自体のアップダウンがそこまでないし道が綺麗なのでスピードに乗って走ることが出来る。
橋へのアプローチは割と登ることになるが夜間で風も落ち着いていて本当に走りやすい。
ただ、真っ暗なので景色的なご褒美は全くなし。
『下蒲刈島』⇒『上蒲刈島』⇒『豊島』⇒『大崎下島』までの4島の外周をぐるりと約90km走った。
途中写真を撮ってはみたが夜なので独特な雰囲気で悪くないが、見栄えする景色は無かった。夜間の橋のライトは綺麗なので景色的に良かったのはそれくらい。
今度は日中の気持ちがいい時にもう一度走りに来ます。
ちなみにとびしまの途中でサイコンの走行距離が『777.7km』になったので記念撮影。
そして『とびしま』と、少し前に走った『大芝島』はこんな感じ。
本土に戻って呉に入ったあたりで走行距離は『800km』を突破。
夜間の島を走っていての感想は、海沿いを走っていたのだがどの島でも夜釣りをしている人がけっこういた。
むこうからしてみたら「こんな夜中に島を自転車で走るのか」と言った感じだとは思う。
あと、基本的に街灯が少ないので暗かった。
●800km~900km
とびしまにはコンビニが無かったので、少し走ってコンビニで小休憩。プリンと飲むヨーグルトをいただく。
時刻は『AM3:12』なので、次の休憩のタイミングを考える。
距離は残り約200kmなので、眠気が来なければこのまま走ってもいけそうだが、アップダウンがかなりある『倉橋島』と距離の長い『江田島』が残っているので、体調を整えるためにも軽く仮眠を取ろうと考える。
『倉橋島』に入るときに渡る『音戸大橋』に大き目なトイレと洗面所があったのを思い出してそこでベンチに横になろうと考え、そこまで走る。
時刻『AM4:30』に音戸大橋の休憩ポイントに到着。
このあたりでパワーメーターが電池切れで数値が出なくなってきたが、電池を替えようという思いも湧かずこの後はパワーとケイデンスの数値は無しで走る。
気温も『20℃』あるので仮眠するのに問題ない。
走行距離は『817km』なので残りの距離は『約185km』。
経過時間は『47時間15分』なので、2時間くらい仮眠をして『10時間』あれば走り切ることが出来ると思い、仮眠の準備をしてベンチに横になる。
だが横になって目を閉じた瞬間、たくさんの蚊が寄ってきて寝るどころではない。
何か所か刺されながらどうするか考えるが、ここにいる選択肢はなかったのですぐに走り出す準備をして音戸大橋を渡り『倉橋島』に入る。
すぐのコンビニに寄るが仮眠できそうな感じでもないので、もう少しだけ走ったところにあるコンビニで休憩をする。
コンビニ横の空き地で横にまではならず、背中を壁にもたれて30分くらい目を瞑って仮眠を取る。
少しの仮眠があれば走り切るのに問題ないと判断して、空が明るくなったと同時にコンビニで朝食を取ることにする。
ホットドッグと肉まんと豚汁を食べて、水を補給して走る準備を整える。
ここで時刻は『AM6:34』、経過時間は『49時間19分』、走行距離は『821km』。
ゴールの目標時間は『60時間』なので、あと180kmを10時間で走ればいい計算である。
なかなか脚にくるがとにかく軽いギアで急な坂を乗り切る。
そして島の西側の区間を走っている途中で通行止めの看板が現れた。
仕方がないので近くの別の迂回ルートを進んでいくと、ここにも通行止めの看板が。
他の迂回路は近くにはなく、かなり来た道を戻って迂回する必要がある。
そしてそこまでの道のりがかなりのアップダウン区間なのでそれを考えるとメンタルが少しやられかけた。
しかし、停まっていてもなにもならないのですぐに気持ちを入れ替えて来た道を戻る。
分岐点まではしり迂回ルートを通り本来走るルートに無事に合流する。
後半区間で一番のアップダウン区間をクリアして、次の島である『江田島』に渡る。
江田島は何度も走っているのでスムーズに進んでいく。
多少のアップダウンはあるものの倉橋ほどではないので気持ち的も身体的にも楽に走れる。
コンビニでケーキとカフェオレをいただき一息入れる。
休憩後、しばらく走って走行距離が『888.8km』になったので記念撮影。
ここから少し走ったところで、フォロワーさんが自転車で迎撃してくれた。
トレーニングがてら江田島を走られていたということで、そこから少しの間一緒に走る。
前後で少し話をしながらで、かなり気持ちがリフレッシュした。
●900km~1,000km
走行距離も900kmを越えて、時刻も12時を回ったのでコンビニで昼食を取る。
うどんとジュースをいただき、ボトルにアクエリアスを補充。
体調的には全体を通した全身の疲れは当然あるが、一番辛いのが首と肩まわりの痛みである。あとは珍しく手のひらが痛みと痺れがここにきて気になってきた。
腰は慢性的な痛みはあるが、慣れたもので走りながら痛みを緩和できている気がする。
お尻も同様で走りながらポジションを変えたりしてそこまで痛みは感じない。
股はクリームの塗付の頻度が少なかったので、少し擦れが気になるが普通に走るのには問題ない。
こう考えるとここまでの900kmをうまく走れてるほうなのかなと思う。
首と手のひらと股に関してはもう少し工夫して対策をすれば、距離を延ばすことは大丈夫な気がする。
残りの距離が約70kmで目標時間にも余裕が出てきたので長めに休んでから出発する。
江田島から倉橋島に戻り、前半の厳しかった倉橋とは対照的にフラットな北側を少し走り本土に戻る。
呉まで戻り、広島市内に向けて海岸線を走る。
ここからも走り慣れた道なので特に問題なく淡々と走る。
広島市内に入る少し手前にある坂町におすすめのベーグル屋さんがあると言うことを聞き時間にも余裕があるので、家族へのお土産として少し寄り道をする。
家族人数分のベーグルとお菓子を買い携帯用のサコッシュに入れて広島市内を目指す。
広島市内に入ったらゴールまであと少しなので気分手にはウィニングラン状態。
今回、最後の島として広島港近くの『宇品島』と『出島』を走りに行く。
宇品島(元宇品)に入ったところで知人の『Hさん』が応援に来てくれていた。
ルートを確認してくださっていてわざわざ応援の声をかけていただきありがとうございました。
そこから元宇品と出島をぐるりと回り、ゴールの原爆ドームに向けて走る。
ちょうどサイコンの距離が『999.9km⇒1,000km』になるタイミングでサイコンの記念撮影。
ここまでの経過時間は『58時間42分』。
ゴールまでは残り約5kmなので目標時間の『60時間』以内のゴールはほぼ大丈夫そう。
広島市内の市街地は路面電車も走っていて信号も車も多いが、焦る必要もないのでゆっくりゴールを目指す。
そしてようやくゴール地点である、『原爆ドーム』に到着。
まずはとりあえず、ゴールした報告をするために写真を撮る。
まずは原爆ドームと自転車。
次に、原爆ドームと自分と自転車。
最後に、原爆ドームとサイコンと自転車。
そしてTwitterでの完走報告も完了。
STRAVAでの記録はこんな感じです。
『走行距離:1,005km』
『経過時間:59時間6分』
『獲得標高:9,160m』
『平均速度:23.8km』
実際に走ったルートはこんな感じです。
●ゴールしてから
ゴール後に少しゆっくりしようと原爆ドーム前のベンチに座っていたら。
大量の蚊が寄ってきて、脚を刺されまくった。
逃げるように少し離れたところにあるベンチに移動したところで、自転車仲間の『Tさん』が原爆ドームに来てくれた。
職場が近いということで、休憩の合間に来てくださったみたいでありがとうございます。
いただいたドリンクを飲みながら少しお話をしてTさんとはお別れし、家までの約2kmの道のりをのんびり帰る。
1,000kmという距離を走り切った疲れと達成感を心地よく感じながら無事に自宅に到着。
自転車に付けているフレームバッグを外し、装備等の片づけを急いで済まして、ささっと自転車の汚れを落としてようやく終了。
これにて『広島県一周1,000kmチャレンジ』は無事に終了です。
●終わりに
初の走行距離1,000kmのチャレンジでしたが、無事に終えることが出来ました。
元々は、今年の5月のゴールデンウィークにAJ広島開催の1,000kmブルべにエントリーしていたので、本来であればそれが初めての1,000kmチャレンジになるはずだったが、走行地域が緊急事態宣言下と言うこともあり中止になってしまったので、今回のチャレンジが初の1,000kmとなった。
広島から出ずに出来るチャレンジと言うことで『広島一周』としてネタとしては面白いと思いながらもルートを引いてみると初めは約600kmのルートになった。
せっかく3日間あるので島も走れるところはルートに入れてみようと引き直してみると、良い感じに1,000kmという切りの良い距離になった。
走り終えて感じたのは、9月末と言う時期でちょうど良かったということだ。
寒さ対策をすれば10月でも走れそうだが標高が高い場所も走るのでその辺りは気を付けないといけないと思う。
逆に暑い時期だと暑さ対策が大変なので自分にはきつい気がする。
時期や距離、ルート的にも走り切れる目処やイメージが立っているのでチャレンジするのだが、やはり一番大切なのは覚悟だと思う。
今回『疲れた』と言う感情は何度となく出てきたが、『辞めたい』と思うことは一度も無かった。
ひとつずつ自分の走りで距離を重ねて、確実にゴールを見据えて走ることが出来たと思う。
振り返るとボリュームがあったのは前半の山間部を含めて初日の夜間走行までの400kmだったので、後半の島区間は思った以上に数値的にアップダウンはあったが気持ち的にはゴールに向けて前向きに走れたので楽だった。
もし逆回りだと思うと、なかなか厳しいコースレイアウトなのではと思う。
個人的には逆回りではあまり走りたいと思わない。
狙いのひとつでもあった、間での仮眠の取り方だが初日は快活クラブで2時間ほど寝れたので良かったが2日目は眠気がほとんど来なかったのもあるが、仮眠時間は少なかった。
これ以上の距離を走るとなると、もう少し計画的な仮眠の取り方を自分なりに構築しないといけないと感じた。
あとはバッテリー問題ももっと工夫をしようと強く思った。
来年あたりで、時間さえ確保出来たら1,500kmくらいで走ってみたいルートがあるのでチャンスがないかと密かに計画している。
今回のチャレンジでの経験を生かして、ぜひ挑戦してみたいと思います。
最後に、いつも同様でチャレンジ中にたくさんの方からTwitter等で応援のいいねやコメントをいただきました。
本当にありがとうございます。
皆さんの応援で気持ちを最後まで切らさずに走り切ることが出来たし、目標時間内でのゴールも達成することが出来ました。
これからもチャレンジしたいことがたくさんありますので、その時も応援していただければありがたいです。
それでは今回の広島県一周1,000kmチャレンジはこのあたりで締めさせていただきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。