『国道2号キャノンボール2020』【前編】
◎スタートまで
決行前日の『11/15(日)』、仕事が終わり自宅に帰ってきたのが『18:15』。
急いで子どもたちと一緒にお風呂に入ってから、出発の準備を完了させる。前日に準備はほぼ済ませておいたので出発まではスムーズ。
自宅を出たのが『18:50』。そこから自転車で『広島駅』に向かう。
広島発で『新下関』行きの新幹線に乗る必要があり、乗る車両は『こだま』なので便の本数があまり多くない。
今回は『19:28発』の便に乗るつもりでいるが、チケットはその場で手配するので窓口に行ってみないとどうなるか分からない。これを逃すと次の便は30分後なので、出来ればこの便に乗りたい。
『19:06』に広島駅に到着して、輪行の準備をする。
知人に借りた『PEKOさんの横型輪行袋』を使っての初めての輪行。家で一度練習しておいたので、今回も完璧な速さで輪行準備完了。我ながら速い!
みどりの窓口まで移動して、予定通りの時刻の便で一番後ろの席も空いていたので無事にチケットを購入。
5分前にはホームに到着して新幹線を待つ。
久しぶりの500系こだまに乗り込み、自転車も無事に置くことができて一安心。
新幹線の中では特にすることもないのでスマホをチェックしながらのんびり過ごす。
こだまなので少し時間がかかり1時間20分後の『20:50』に『新下関』に到着。
そこからすぐに輪行解除して『門司』に向けて移動する。
駅の出口からさっそく道に迷いながらも、アップダウンをこなし『関門トンネル』に到着。
トンネルの途中で記念に写真を撮ってツイート。
明日はトンネル内で停まる時間がもったいないので前日の内に撮っておく。
関門トンネルは自転車で一度通ったことはあるが、改めて通ると長く感じる。
約1㎞あるはずなので、歩きだと『5~10分』はかかる。そこに合わせてエレベーターに2度乗る必要があるので急いでも『約15分』ぐらい『関門トンネル』で時間を使ったと思う。
翌日のイメージもしっかりできたので、九州上陸後は国道2号の終点にも寄ってみる。
そこからホテルに移動して『22:00』頃に、ホテルに到着。
せっかくなので門司らしい食事をしたいとチェックイン時にフロントで食事をできる場所が無いか聞いてみるが、ホテルの近くには何もないらしい。
チェックイン後に自転車で近くを散策するが、少し離れたところにあった『餃子の王将』も『スシロー』も『ラーメン屋』も『22:30』で閉店。
仕方なくホテル横の『ローソン』でコンビニ弁当。
ホテルには大浴場があったので仕事と移動の疲れを流してから、部屋で遅めの夕食。
夕食を食べた後、日を跨いでしまったが翌日の予定を確認して準備を完了させて『AM1:00』頃に就寝。
翌日、予定通り『AM8:00』に起床。約7時間寝れたのでしっかり睡眠時間は取れたほうだと思う。
大浴場で朝風呂を浴びた後、ホテルの朝食をしっかりいただき、部屋に戻ってから出発の準備。
準備が完了して『10:00』ちょうどにチェックアウトを済ませ、ホテルの外で輪行袋から自転車を出して走れる状態にする。
スタートまで時間があるので、門司港周辺をウロウロしながらのんびりスタート地点に向かう。
レトロな街並みや懐かしさを感じる風景に心を癒されながら、『10:30』過ぎにスタート地点に到着。
そして、スタート地点のすぐ横にあるコンビニで、走りながら補給するためのおにぎりとパンとコーラを購入。
これでスタートする準備は万全。
あとはスタート時間になるのを待つだけ。
◎今回の装備
今回の装備を簡単に説明しておきます。
【機材】
・フレーム/スぺシャのtarmac SL6 リムブレーキ
・ホイール/カンパのBORA C35
・タイヤ/コンチの5000(ひと月前の500㎞時におろしたので走行は550㎞くらい)
・サイコン/GARMINのEdge820J
・フロントライト/キャットアイのVolt800とVolt400の2本(切れそうになったら差し替える)
【その他】
・フレームバッグ(常備薬一式、補給食、予備インナーシャツ、アルミシート、カイロ、予備のフロントライト1個、モバイルバッテリー10,000mAh×2個、電池タイプ充電器、USBケーブル×3本、指ありグローブ、輪行袋)
・サドルバッグ(ウィンドブレーカー上下、サコッシュ)
・ボトル1本体制
・ツールボックス(チューブ2本、その他)
・スマホをステムマウントで固定してルート表示
【服装】
・半袖サイクルジャージ
・おたふくインナーシャツ(通常タイプ)
・サンボルトビブショーツ
・おたふくインナータイツ(通常タイプ)
・RLR靴下
・指無しグローブ
・アイウェア(ジョーブレーカー/クリアレンズ)
・反射ベスト(フロント部分と背中に収納あり)
・ヘルメットとシューズ
【予備(バッグ内)】
・おたふくインナーシャツ(防風タイプ)
・モンベルのウィンドブレーカー上下
・モンベルのネックウォーマー(頭巾タイプ)
以上になります。
機材と装備は今までとほぼ変わらず。
服装も10月の500㎞時とほぼ同じものでよほど寒いときの対策で『防風インナーシャツ』を予備で携行しネックウォーマーを頭巾タイプに変更。
国道2号はそこまで標高が高くないので装備と寒さ対策はこんな感じで完了
◎スタート~福岡県
間もなくスタート時間になるので、コンビニから道路向かいのスタート地点に場所を移動してから位置情報の共有をする。
そして、予定通り『11:00』ちょうどにスタート。
出発することをツイートして走り始める。
『国道2号』の終点の『老松公園前交差点』をスタートして、順調に『関門トンネル』にむかって走る。問題なく『関門トンネル』に到着してエレベーターを待つ。
エレベーターの中で年配のご夫婦にどこから来たのか聞かれたので、今から出発して大阪まで行きますと伝えると「??」な感じだったので、笑顔で行ってきますと伝えてエレベーターから出てトンネルを進む。
トンネル内はひたすら歩くだけなので、ツイートしながら、カツカツとクリート音を響かせて進む。
トンネルの途中で福岡県(九州)と山口県(本州)の県境を跨ぎ『福岡県』は約10分で終了。
◎山口県
下関側に到着して、再びエレベーターで地上まで移動。
そして地上に到着してから、いよいよここから思いっきり走れる。
現在『15分』経過して、進んだ距離は『3㎞』。サイコンの平均速度はたしか『14㎞/h』を表示していた。
下関から東方向に向けて走り始めると、当初の風予報では軽い向かい風だとなっていたがほぼ無風。
これはチャンスと思い、右手に海を見ながら軽快に走ります。
すると少し進んだあたりでお尻に響く振動に違和感を感じる。道路状況があまり綺麗でないのかなと思いながらも白線の上を走ってみても変わらず振動がくる。
もしかしたらと思い、少し側道の広めの場所まで進んで停まってみると、後輪のタイヤの空気が抜けている。
走り始めて『6㎞』の地点でまさかのパンク。
慌てることなくも急ぎながら、水がこぼれないようにボトルを取り外し、サイコンが傷つかないようにマウントから外してから、自転車をひっくり返してパンク修理開始。
そしてこんな時にもツイートを忘れない。
「もっと集中しろ」と思われるかもしれないが、これだけの距離を走って後で思い返すのに記録に残しておかないと、本当に忘れてしまいます。記憶は曖昧なので、後で時間の経過と事象を照らし合わせるためにもツイートします。ゴールに近づき達成できるか微妙なラインになった場合はさすがにツイートの頻度が減ります。
タイヤをさっと見てパンクの要因を見てみる。タイヤにすごく小さな傷を見つけたのでおそらく小石かガラス片等でパンクしたと思われる。チューブの交換だけで問題ないと判断して、タイヤを外しチューブを交換する。ここまではスムーズなのだが、タイヤを嵌める前に小型の携帯手押しポンプでチューブに軽く空気を入れようとするも、ポンプを使うのが久しぶり過ぎてうまくセットできない。手間取りながらも軽く空気を入れて、タイヤを一瞬で嵌める。
そして『CO2ボンベ』の登場である。
一瞬で充填するつもりだったのだが、初めて使うタイプの器具で使い方がよく分からない。
一度ボンベをセットしてバルブに器具を装着してみてもエアが入る様子がない。
もうよく分からないので『CO2』は諦めて、確実に空気の入る携帯用の手押しポンプで頑張る。
空気も入りある程度タイヤも硬くなってきたので「あと30回」と思い頑張ってポンプを押す。でも手押しだと思ったほど空気が入ってない場合があるのでと「もう30回」頑張る。腕も疲れてきたし時間ももったいないので「最後にもう30回」ポンプを押して、パンク修理終了。
素早くホイールをセットして、ボトルとサイコンを取付け、忘れ物が無いことを確認して再スタート。この間にかかった時間はツイートを見る限り『10~15分』。
停まっていた時間が「15分くらい」で、その内パンク修理が「10分くらい」だと思う。
『11:33』に再スタートしているので、『33分』経過して進んだ距離はわずか『6㎞』である。
この時の心境は、スタート直後と言うこともありそこまで焦ってはいない。普通に走れば充分時間はあるし、まったく焦る時間ではないと冷静に思えていた。
この後、1時間後、2時間後に進んでいる距離次第で考えればいいことである。
ただ、途中走りながら考えたのは、「序盤過ぎるトラブルはスタート地点に戻って再スタートは可能なのか」と言うことである。普通に考えると一旦DNF扱いで、スタート地点に戻って新たにスタートするので問題ないと思うのだが、過去に例はあるのか?
そして今回の場合、関門トンネルを通っているし、また戻るのも手間だし、考えるだけ無駄だと言うことで気にしないことにする。
それでも、無意識のうちに回す足に力が入っていたのかなと思う。
『1時間30分』経過したときのツイートである。
この時点で距離が『35.2㎞』まで進んでいるし、平均スピード的に『29㎞/h』まで戻しているので、やはり普通のペースより速いと思う。
でも無理してる感じではないので、このまま変わらずに走り続ける。
そして『2時間』が経過。ちょうど信号ストップだったのでツイート。距離は『49.5㎞』。
少し手前の左側に『おいはぎ峠』っていうご飯屋さんがありました。
この辺りは宇部市から山口市へ向かう山の中を走るのだが、そこまで厳しいアップダウンと言った感じではなく、なだらかな登りと下りを繰り返す感じ。そして信号が少ないのでスピードに乗りやすい。ただ、トラックが多いので気を付けて走る必要がある。
そこから30分走ったところでツイート。
基本的に『国道2号(R2)』をメインで走っているので、『R2の道路標識』に大阪までの距離が掲げられている。
ずっとR2を走るわけではないのだが、この距離が実際に走る距離と割と近いので残りの距離の参考にはなる。
その後すぐに『防府市』に入り、「この看板どこかで見たな」と思い写真を撮ってみる。
結果的に、『こなきさん』ではなく『つむりさん』の『R2キャノボ』の時のブログでした。
情報をくださった『Lovelybeerさん』ありがとうございました。モヤモヤがスッキリしました。
そしてこの後、『14:12』にこんなツイート。
なんとサイコンの充電ができなくなってしまったのである。
僕が使用しているサイコンは『GARMIN Edge820J』なのだが、基本的に走りながら充電をするようにしている。長く使っているのもあり、バッテリーの持ちがそこまで良くない。
何も気にせず使っていると『100kmちょっと』でバッテリーが無くなるイメージ。
なのでバッテリーの残量を見ながら、少なくなったら充電していくスタイル。
『820J』は充電口が背面にあるのだが、専用のレックマウントを使用することでUSBケーブルを挿しておくことができる。そして、モバイルバッテリー側のスイッチでオンオフをして必要時に充電する。当然雨や濃霧などの湿気の多い時はサイコン本体からケーブルを外すようにしている。
専用のレックマウントが少し特殊な形をしていて、充電ケーブルをサイコンから抜いた状態でないとケーブル接続部が干渉してサイコン本体をマウントから外せない造りになっている。(外せてもかなり無理やりな感じになる)
そして、今回のスタート直後のパンク時を思い出すと充電コードを挿した状態のままでサイコンを強引に取り外してしまったので、サイコンの充電口の端子が欠けてしまって充電ができない。自分としては強引にしたつもりはないのだが急いでいたのでその時に気づかなかったのである。
マイクロUSBのケーブルは2本持っているのでどちらで試してみても充電する様子がない。(あと1本はTypeC)
モバイルバッテリーももうひとつのものを試してみたが、やはり充電できない。
完全にサイコン本体の充電口が壊れてしまっている。
この辺りでの画像を確認するとサイコンのバッテリーの残りは『68%』。
これでもバッテリーセーブモードを使いながら節電していたのでまだ残っているほうである。
サイコンでログが取れなくなるとどうなるかを頭の中で考える。
「速度、パワーが見れないので走るペースが自分の感覚だけになる」、「走行距離と経過時間が一目で分からない」、「走行ログが残らない」、等々。
速度とパワーは感覚的なもので何とかなる気がする。
走行距離と経過時間はスマホを見ながら頭の中で計算しないといけないので、少し手間ではあるが仕方ないのでそうする。
ただ、僕がTwitterでツイートするときは基本的にサイコンの画面をセットであげて、経過状況を簡単に伝えたいと思っているので、それができないのが悩ましい。
あとは、走行ログに関してはひとつのデータで残らないのは少しモチベーションが下がる。
走行後に分析をするのにも役に立つし、何より走った証明としてちゃんとしたものが無いのが辛い。
一応、走りながら考えて、スマホの『STRAVAアプリ』で走行ログは取ることができるので、途中からログの取る方法を切り替えることにする。
いろいろ頭を使うことが増えるが、考える時間はまだまだいくらでもあるので、その都度臨機応変に対応しようと前に進む。
その後、走りに集中して『徳山』を通過。
距離がようやく『100㎞』になり、経過時間は『3時間57分』。なのでグロス『25㎞/h』に戻った。
この後、休憩時間等が入ってくれば、当然グロスも下がってくるのでそこまで気にする必要はないのだが一つの指標でもあるので、これを保てるようにしたい。
そこから1時間経過して『16:00』。走り始めて『5時間』が経過するところ。
引き続きペースはいい感じ。R2は変わらずトラックが多いが注意さえすれば、逆に追い越されるときの風が追い風代わりになってくれて悪くない。
途中、岩国市街地の少し手前にある走りにくい『欽明路トンネル』も難なくクリアして『錦帯橋』近くに到着したので記念撮影。
『5時間30分』経過して、走行距離は『143㎞』。
サイコンが見れなくなるとこんな感じでツイートできなくなるのが残念である。
そして『6時間』経過するところで『広島県』に突入。距離は『153㎞』。
バッテリーも着実に減ってきている。
◎広島県
この辺りからはかなり走り慣れた道なので、安心感が大きい。
気にしていた風も弱い向かい風程度でほとんど影響はない。
身体の調子も悪くなく、慢性的な腰の痛みは途中から出ているが、走りながら随時マッサージ的なものをしているので問題ない。
スタート時に用意した補給も無くなりかけていたし、トイレもずっと我慢していたので、この辺りでコンビニ休憩。
走りながら取る補給としてパンとおにぎりとウィダーとコーラ。果物のグレープフルーツだけはその場で食べる。
ここまで休憩してなかったこともあり、少し長めで『約10分』程度停まっていたと思う。
気持ちを入れ替えて再び走り出す。
広島に入ってからの『宮島街道』はクルマが多くてなかなかスピードが上がりきらない。
そして時刻は『18:00』を過ぎて、『7時間』経過。距離は『177㎞』。
サイコンのバッテリーが残り『20%』しかない。少ない状態だと減っていくスピードがより早く感じる。
今回の走行ルート上の近くに、行きつけの自転車屋さんがあるので、ダメもとでサイコンの充電で何かいい方法がないか聞いてみるため寄ってみることにする。
ここまで走っている途中にもたくさんの方からバッテリーの充電に関していろんなアドバイスをいただいています。それらが励みになっているのは間違いありません。本当にありがとうございます。
そして当初のルートを少しだけ逸脱して、『18:35』に『184㎞』地点にある広島市内の自転車屋さんに到着。
着いたら偶然、知り合いの自転車乗りの方が修理で来られていて、休憩を兼ねて少しの間話をする。
Twitter以外ではあまりこう言ったチャレンジのことを言わないというか言う機会がないので、今まさにチャレンジ中のことを伝えると驚かれていた。
お店の人にサイコンを見てもらったがやはりどうにもできず、せっかく自転車屋さんに来ているので、パンクした後輪の空気だけ補充させてもらう。
空気を入れる際に空気圧を確認したら『3bar』しか入ってなかった。たしかにここまで走りながら少し空気圧が少ないなとは思っていたが、ここまで少ないとは。
ここまでよくスピードを維持して走ってきたなと自分に関心した。
空気もきっちり入れて再スタート。ここで『15分』くらい停まっていたかな。
ちなみに今いる場所は、自宅から『2㎞』ほどの場所なので、「このまま家に帰ったらすぐに温かいお風呂に入れるのになあ、暖かい布団で寝れるなあ」と一瞬だけ思ってしまった。
しかし気持ちをすぐに切り替えて『大阪』に向けて走る。
広島市内は時間帯的にも交通量が多く、なかなかスピードが上がらない。そして周りも暗くなってきている。
ここは無理せず体力を使わないための区間と我慢して走る。
そうしていると側道から声をかけられたので、少し通り過ぎたがストップする。
Twitterを見てフォロワーさんが迎撃に来てくれていた。はじめてお会いする方だったので名前を聞いたが教えていただけず、それでも少しお話をしてエールをいただいた。
(もしこのブログを読まれたらDMでもいいので連絡お待ちしてます)
そしてそこから200メートルくらい走ったところで、今度はAJ広島のスタッフをされている『Tさん』が迎撃に来てくださっていた。
仕事帰りみたいでわざわざ通るルートで待っていただいたみたいでありがとうございます。
俄然元気が出て、広島市内を軽快に走る。
時刻は『18:58』、経過時間は『8時間』、走行距離は『188㎞』。
停まっていた時間もあるのでグロスは下がっているが、ここまでまったく問題のないペース。
ただサイコンのバッテリーが僅かになってきたので、この辺りでログを切り替えるタイミングを考える。
広島市内の市街地から少し走ったところにある『海田』のコンビニで、またまた迎撃してもらう。
今度もAJ広島のスタッフの方で『Kさん』がビデオを回しながら待っていてくださった。
ここまでしていただくと嬉しいのとありがたいのとでやる気がアップです。本当にありがとうございます。
ここでも少しだけお話をさせていただき、ここから『東広島市』への登り区間へむけて再び走り始める。
少し走ったあたりで走行距離が『200㎞』となったので、ここでサイコンでのログを終了して、スマホでログを取り始めます。
スマホの『STRAVAアプリ』をオンにして走り始める。
心配なのは、どれくらいこのアプリでスマホのバッテリーを消費するかである。
スマホでは同時に『ルート表示』のアプリと、『位置情報の共有』、そして『Twitter』を常に使用しているので、注意しながら使用する必要がある。
サイコンが無い状況で走り始めるのだが、この辺りは何度も走ったことがある道なので今のところは特に問題はない。
ただやはり経過時間や走行距離をすぐに確認したいときに、一度頭の中で計算する必要があるのが嫌な感じではある。
でもこの状況に慣れてこの後も走る必要がある。
ここから標高300メートルくらいの場所まで登りが続くのだが、10㎞くらいだらだらと登る区間。ここは無理せず坦々と登る。
時刻も20時頃なので気温が下がり始める時間帯かもしれないが、登りなので気にならない。
ほぼ登りきったところで、スマホのログの状況を確認すると、表示が停止になっている。
自動停止なのかよく分からず停止と再開のボタンを押して、再び動き始めたがここまでのログが取れていたのかよく分からず、『STRAVA』は起動させたまま触らないことにする。
『東広島』では事前に『hideさん』から東向きに走るときは『西条バイパス』の方が速いと聞いていたのでバイパスに入って走る。
聞いていた通り、少し下り基調のバイパスなのでスピードに乗って走りやすい、トラックが気にならなくはないがそこまで道が狭いわけではないので、しっかり注意しながらバイパスを進む。
そして『約225㎞』の地点で、またもや迎撃をしていただく。
AJ広島のスタッフの『こなきさん』がご夫妻で応援に来てくださっていた。
写真を確認すると時刻は『20:33』。こんな遅い時間帯にありがとうございます。
少しだけお話をしてから再び走り出します。
『AJ広島』の方にたくさん元気をいただいたので、何かでお返ししないといけないですね。
何か僕にできることがあったらいつでも言ってください!
その後、時刻は『20:55』、『約10時間』が経過したあたりの信号ストップで先ほどの『こなきさん』の迎撃をツイートする。
サイコンが無くて経過時間をちゃんと計算できていなくて『9時間経過』とツイートしているが『10時間経過』の間違いである。
ここで走行距離は『230㎞』。サイコンの画像があれば確実な時間と距離が一発で分かるのにやはり不便である。
『東広島』まで登ってきていたのでこの後は下り区間である。
下り始めて、はじめのうちはそこまで寒さを感じなかったが、後になるにつれて身体が冷えてきたのか寒くなってくる。我慢できなくはないので停まるタイミングがあれば、その時にウィンドブレーカーを着ようと思いながら走る。
ある程度下ってきた辺りの交差点を通過中に軽い段差があり、そこで「がつっ」と何かが地面に落ちたような音がしたので急遽ストップする。
ステム上を見ると『スマホ』が無い。後ろを振り返ると落ちているスマホを発見。気づいて良かった。
すぐにスマホを拾ってから、歩道に入ってちょうどあったバス停のベンチに座って一息つく。
たまたまクルマが通ってなかったから良かったが、もしスマホがクルマに轢かれていたらと思うとゾッとする。一応もう一台スマホを持っているので工夫すればいろいろやり方は見つけることができると思うが、メインスマホなので「連絡が難しい、Twitterがどうか、ログもどうか』等々、気持ち的にDNF案件である。
なので本当に無事で良かった。
そして何故スマホが落下したか原因を確認すると、ステム側のマウントには何の問題もなく、スマホ側のケースにGARMINマウント用のアダプターを強力なテープで固定しているのだが、このアダプターのマウントに引っ掛ける出っぱった部分が欠けてしまっていた。
2年以上ブルべやロングの時に使っているので壊れかけていたんだと思う。
当然マウントにセットしようとしてみても取り付け出来るはずもなく、サイコンに続きスマホまでマウントから消えてしまうこととなった。
スマホがステム上に無くなることで一番つらいのは常にルートを確認できないことである。
岡山県に入るまでのルートは頭に入っているが、そこから先は初めて走る道も多く、複雑な場所もあるのでその都度ルートを確認しながら走る必要がある。
信号ストップなどで大まかにルートを確認しながら走ることとなるのでよく注意して走らなければいけない。
それとTwitterを常に確認できなくなるので、コメントの確認や更新頻度が一気に落ちると思う。ステム上に固定できない状況で危険な走行をしてしまっては元も子もないので、安全第一での走行を心がけることを強く思う。
少し停まると一気に寒くなってきたので、ここでウィンドブレーカーを着用してグローブも指ありに交換する。そしてネックウォーマーも装着。下半身は足を動かせば問題ないだろうと今のままで走り始める。
ここまでいろいろあり、気持ちがピリッとしないが今自分がやるべきことは少しでも前に進んでゴールに近づくことである。
身体の調子は悪くないので、走れるうちはしっかりできることをやろうと思う。
と考えながら走っていると、またまた悩み案件が発生。
スマホの充電が少なくなってきたので充電しようと、モバイルバッテリーに繋ぐと充電が始まらない。コードがちゃんと挿さっていないのではと確認するが問題なさそう。バッテリーの残量をチェックすると残量の表示が点灯しない。
要するにモバイルバッテリー(10,000mAh)のひとつ目が無くなってしまったのだが、自分の感覚的にはそこまで充電で消費したつもりがない。
サイコンではほぼ充電してないし、途中走りながらスマホを充電しながら走ってはいたが、無くなるほどではないはず。
そこで想像したのが、「ルート表示、Twitter、位置情報の共有、STRAVA起動」の同時使用が消費を早めているのかと言うことである。
たしかに『ルート表示』は以前から少し消費が多いかなと感じていた。『Twitter』は頻度にもよるがそこまでではないと思っている、『位置情報の共有』はどんなものなのか分かっていない。そして『STRAVAでのログ記録』は割と消費するイメージである。
しかし、『STRAVA起動』は少し前からなので一気に減るのは少し想像しにくい。もしかしたら位置情報関係のアプリの重複起動に原因があるのかと考えるが、答えは分からない。
ただひとつ目のバッテリーが無くなってしまったので、ふたつ目のバッテリーで充電しながら様子を見てみる。
『ルート表示』に関してはもう一つのスマホがあるので、ダメな時はそちらで確認すればいい。『Twitter』は要所要所でツイートしないと嫌なので何とかしたい。『位置情報の共有』は出来るだけ見てくださっている方々に居場所を共有したいのでギリギリまで使いたい。『STRAVA』は途中からのログなのでダメな時は最初にストップさせる項目だと考える。
自分の中である程度優先順位を付けたのでその時の状況で対応することにする。
万が一の時の為に補助として単三電池4本を入れて充電できる機械も持ってきているのでこれも使いながらしのげないかなと考える。しかしこの乾電池式の充電器は個人的に信頼性が高くなく、事前に充電できることは確認しているが、どの程度充電能力があるかはっきりしていない。
途中コンビニによって乾電池を買って入れ替えるなどの作業も最悪は必要かなと考えるも、あくまで補助的なものとして考えている。
とりあえず考え事ばかりで頭が疲れてきたのと、補給も少なくなってきたのでコンビニに寄りたい。
そう言えば『竹原』のローソンを過ぎたあたりから少し登る区間があるのだが、そこでおにぎりを食べながら登っていたら、道路状況が悪すぎて振動が大きくおにぎりが半分以上落ちてしまいまさかの補給失敗もあった。そして水もコーラも間もなく底を着きそうな状況である。
そんなこともあり、頭の中ではある程度場所を記憶していた『三原市』に入ってすぐにあるコンビニまで急ぐことにする。
そしてようやくコンビニに到着して補給休憩。
時刻『21:50』のツイート。『約11時間』経過で、走行距離は『250㎞』。
お菓子類とパンはまだ少し残っているので『おにぎりと水とコーラ』を補充する。
そして少し寒いのでカフェオレを飲みながら焼き鳥を一本いただく。
気持ちが疲れているので、状況説明のツイートをしながら『20分』くらい長めの休憩を取る。
そして、状況説明のツイート。
これらのツイートにも、皆さんから応援のコメントをいただきそこから元気をもらう。
身体はここまでしっかり動いているので、気持ちさえしっかり持てれば走ることはできる
再スタート前に気持ちをリフレッシュするためペットボトルに残った水を頭にかぶるが寒さのあまりふるえてしまいすぐに後悔をする。
ここからも走り慣れた道なので問題なく進む。
時刻は『22:55』で、もうすぐ半分の『12時間』が経過するので停まってツイート。走行距離は『268㎞』。
『尾道』を過ぎたら、次は『福山市』。ずっと平坦が続く区間なので、いいペースで走ることができる。
相変わらずトラックは多いが、サイコンも無いしスマホも無いので走ることに集中出来ていて、注意して走れているので問題ない。サイコンが無いので気温も分からないがこの辺りはそこまで寒さは気になっていない。
福山市内に入ると夜間とはいえ街灯が多く明るいので少し安心する。
信号が多いが、ちょうど車道を走れない区間に来たので、歩道にある自転車通行帯をペースを落として走る。どうせ信号にかかるのでゆっくり目で走れてちょうどいい。
車道を走れる区間に戻ってから再び速度を上げて『岡山県』に向けて走る。
ルートも特に気を付けることはない区間でひたすら走っていると、信号ストップで確認した標識に『笠岡駅』の文字が出てきた。
いつの間にか『岡山県』に突入していた。
時刻は『0:31』、スタートから『13時間31分』を経過して、走行距離は『304㎞』。
『山口県』も長かったと思ったが『広島県』もなかなか長かった。よく考えたら、直線的に広島を横断したのは初めてかもしれない。
距離を確認してみたら『山口県=約150㎞』、『広島県=約150㎞』なので今回のルートだとほぼ同じ距離である。
長いと言われる『静岡県』の東海道を走った場合が『約180㎞』なので、それと比べてみてもなかなかのな長さである。
と、ここまでいろいろあったこともあり長くなってしまったので広島県が終わったあたりまでを『前編』として一旦締めさせていただきます。
◎最後に
今回の『国道2号キャノンボール』ですが、スタート直後からほんとうにいろんなことが起きていて、なかなか思うようにいかない現実を痛感しています。
ただ、改めて考えるのは、「いろいろと運が悪かったな」と思いがちなのだが、全てにおいて『事前準備のときの入念な確認と、走っている時を含めた注意力と集中力』、これがしっかりできていれば未然に防げることが多かったのかなと思います。
言い始めたら、これらで全てが解決してしまうので元も子もないのだが、今回のこれまでに起きたことに関してはある程度防げたのではと反省をしています。
そんな中でも、それらが起きた状況でやるべきことはその都度出来ていると思うし、途中で諦めてないことを考えると、これまでの経験が活きているのかなと感じます。
そしてその経験と併せて間違いなく力となっているのが、たくさんの方からの応援です。
迎撃に来てくださった皆さんの応援もそうですし、ツイートに対して応援のコメントやトラブル時のアドバイス等、本当に力になっています。ありがとうございます。
この後もチャレンジは続きます。
『後編』では『岡山県』からゴールの『梅田新道』を目指す様子を載せていきますので、引き続き読んでいただければ幸いです。
それでは、この辺りで失礼します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。