『ダブルエベレスティングへの挑戦』【走行編(後半)】
『ダブルエベレスティングへの挑戦』【計画~準備編】はこちらです。
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『ダブルエベレスティングへの挑戦』【計画~準備編】 - まさゆめ~広島~ロードバイク日記
【走行編(前半)】はこちらです。
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『ダブルエベレスティングへの挑戦』【走行編(前半)】 - まさゆめ~広島~ロードバイク日記
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●10,000m~15,000m
獲得標高が『10,000m』超えた時点で、時刻は『AM3:43』。
スタートしてからの経過時間は『22時間2分』。
夜間は交通量が少ないので集中して走ることができている。
この後やってくる日中の暑さを考えると、今のうちに本数をこなしておきたい気持ちもあるのでそれなりに頑張る時間帯。
登るペースも悪くないので当然足に疲れは感じている。
車を停めている駐車場で休憩をして、そこから下ると微妙な気温と汗冷えが重なり寒く感じる瞬間があるがまた登り始めればその寒さもすぐに感じなくなる。
そこから1時間走ったところで夜が明け始める。
一気に空が明るくなり幻想的だったのでツイートをする。
一般的なロングライドでは、自転車で遠くまで走り、辿り着いた先で見る景色に心を奪われるのはよく分かるしイメージもつきやすいが、同じ場所をひたすら繰り返し走って、その場所だけでの時間経過による色んな表情の景色を見ることができるのも、なかなか悪くないなと感じたりもする。
普通に生活していたら家の外で24時間以上同じ場所での景色を見続けることはほとんどないと思うし、その移り変わりを身体全てで感じることができていることにちょっとした感動を覚えたりもする。
そんな感情も交じりながらも休憩を挟みつつチャレンジを続ける。
夜間からの孤独に思える時間帯も、Twitterを見てくれている方がリアクションをしてくださったりするのでスタートから気持ちが切れることはない。
空が完全に明るくなり、時刻は『AM6:25』。72本が終了。
経過時間が『24時間44分』となっていて、チャレンジ開始から丸1日経過したことに気づく。
獲得標高は『11,439m』。このあたりから数字の増え方が大枠な感じになり始め進捗を感じにくくなってきた時間帯。
進捗に対しては獲得標高を意識するより本数と距離で意識するようになっていたと思う。
ダブルの『112本』に対して、残り『40本』と思うと確実にゴールに近づいていることを前向きに捉えることができる。
夜間と気温はほとんど変わらないのに、日が出るだけで体感的に一気に熱くなってくる。
元々の予定では仮眠のタイミングで着替えをするつもりでいたが、まだ眠気が来てないのでここで身体も気持ちもリフレッシュするため、ウェアを一式着替えることにする。
ウェア一式の着替えをトイレの洗面所で済ませ濡らしたタオルで身体の汗等も一通り拭いてリフレッシュ。ついでに歯磨きもして日焼け止めを塗りなおしてからエベレスティング再開。
月曜日の朝と言うこともあり、このあたりの時間帯から通勤の車や通学する児童や学生で交通量や人通りが多くなってきたので下りは特に注意して慎重に走るようにする。
再開してから2本くらい登った後、麓まで下ったところで昨日の夕方から夜にかけて一緒に走ってくれた『I.Rくん』が通学のタイミングで声をかけてくれた。
今の本数と獲得標高の様子について少しだけ話をしてから別れた。
近くに住んでいるとはいえ、わざわざ麓で待っていてくれてエールをもらえたので本当にありがたかった。
そこからもう2本登り終えたところで『76本』が終了。
時刻は『AM8:01』となり、獲得標高も『12,000m』を越えた。
休憩時にはなるべく補給するように心掛けてはいるが、ここでもしっかりとパンとドリンク、そして梅干しを口に入れて塩分も補給する。
時刻も『9時』を過ぎると気温が一気に上がり始める。
そこからさらに本数を重ねて、『82本』を登り終えるタイミングで前輪のタイヤがパンク。
すぐに頂上だったので登りきってから、タイヤのチューブを交換する。
時刻は『10:42』で、スタートから『29時間』が経過。
登った本数は『82本』で、獲得標高は『13,000m』を越えたところ。
気温は『31.6℃』を表示していて、かなり暑くなっている。
座って休憩を兼ねてチューブ交換をして、軽く空気を入れてから少し下ったところにある駐車場まで一旦戻る。
エアポンプできっちりと空気を入れて、少し休憩してから再開する。
その後、2本を登って『84本』を終えたところで長めの休憩を取ることにする。
長めの休憩を取る理由としては、残り『28本』となり全体の4分の1が完了して切りがよかったこともあるが、なにより気温が『36.3℃』を表示していてとにかく暑さがきつくなってきたので、ペースもかなり落ちてきているし無理をすると後に響きそうだったので走らず休憩をする判断であった。
あと、この日は駐車場横の公園一帯の草刈りを業者がやり始めたので、草刈機の音がひどかったのと、飛んでくる草や木の枝やそれらに伴う臭いなど、気分的にも走りやすい環境でなかったのでこのタイミングで休憩することにした。
車のエンジンをかけて冷房をきかせ、その中で涼みながら休憩をする。
眠気もないままなので、パンとジュースを飲みながらTwitterのTLを覗いたりしてみる。
4分の3が経過しても、まったく気持ちは切れてないので、それらのモチベーションについて考えたりしてツイートをしてみる。
いろいろ理由付けしているが、やっぱり皆さんからの応援の力がすごく大きいのは間違いない。
車の中で約1時間の休憩をして再び走る準備をする。時刻は『12:45』。
外に出ると暑さは相変わらずで、サイコンの気温は『46.5℃』を表示している。
休憩中もサイコンの電源をオンにしたまま外に放置していたのですごい数字になっている。
休憩前と気温に大きな差は無いのでこのまま走っても体力の消耗は大きいとは思うが、休憩時間を延ばすと終わる時間が遅くなるのと、この後の夕方までの気温が落ち着き始めるまでの時間を考えると、休憩を挟みながらであれば頑張れると判断して再開することにする。
しかし暑いものは暑いので、ここからはしんどい時間帯で細かい休憩を挟みながらしのぐ感じで本数を重ねる。
ペース的には『1時間で3本』登れたらオッケーということにして確実に進めていく。
そして時刻が『15:08』、経過時間は『33時間26分』。
『90本』が完了して、獲得標高は『14,287m』。
暑さに参っている状況は変わらずで、ペースも上げれない上に疲れも蓄積されていてしんどい状況は続いている。
ここでは草刈りも終わりつつあるため、公園の水場近くのベンチで30分ほど休憩をとる。
チャレンジ開始から30時間以上経過しているが、この時間帯だからか全く眠気はやってこない。
都度の休憩でかなり時間を使っているので、ここまできたら仮眠のことは考えないようにする。
『16:02』に再び走り出す。
そこから3本登って『93本』登り終えて、下ろうとしたとき、車を停めている駐車場横にロードバイクに乗った方がいる。
確認すると初日にも来てくださった『F岡さん』だった。
しかもわざわざ大き目のクーラーバッグを肩にかけてここまで登ってきてくださいました。
『F岡さん』も練習帰りみたいで、アイスと飲み物をいただきながら駐車場で一緒に休憩しながらいろんな話をしていただきリラックスタイムになりました。
ちなみにアイスは『スイカバー』で氷系のアイスが身体を冷やす効果もあるしクリーム系と比べておすすめと言うことだった。
『経口補水液』もこの時期のこの時間帯は特に効果的と言うことでありがたくいただいた。
これ以外にもポカリスエットとレッドブル、氷まで差し入れていただき、この後の補給用にと受け取った。
こんなにたくさんの補給物資をここまで持って登ってくださったことに感謝の気持ちがいっぱいでたくさんの元気とやる気をいただきました。
『F岡さん』と別れた後、2本を登って、ここまで『95本』が完了。
獲得標高は『15,000m』を突破してゴールが近づいているのを感じる。
そして時刻が『18時』をまわり、このあたりの時間帯から気温も下がり始めていて走りやすくなってきた。
ここまできたら、かなりダブル達成が見えてきた。
●15,000m~
ここまでの経過時間は『36時間23分』。
ゴールに向けて気持ちを上げながらこの後も走り続ける。
麓に下りて、『96本目』を登ろうとしたときに『I.Rくん』が、学校が終わり駆けつけてくれた。
昨日に続き、一緒に登ってくれてここまでの話をしながらで気がついたら2本を登り終えて『97本』を完了。
ここで、お腹が空いていたため麓のコンビニでまとまった食事を取ることにする。
『I.Rくん』はその間もう少し団地内を走るということで一旦別行動をする。
コンビニで『オムライス』と『サラダ』と『味噌汁』と『プロテイン飲料』を買って、休憩を兼ねてゆっくり食べる。
時刻は『19:03』なので、ここでしっかり食べておけばあとは細かい補給でゴールまで行けると予測する。
ダブル達成まであと『15本』まできているので、単純計算してみると『5時間』前後かなと考える。あとは疲労具合と休憩頻度でもう少しかかるかなと思いながら、夜と言うことから補給に関しては割と問題なさそうだと感じている。
食事を食べ始めたところで『I.Rくん』も休憩でコンビニに戻ってきたので、一緒に休憩をする。
そうしていると、ロードバイクに乗った女性がやってこられたので確認してみると、自転車仲間の『ともさん』である。
差し入れにシフォンケーキをいただき、少しお話をする。
さらには同じタイミングで昨日に続き『ぴえーるさん』も応援に来てくださった。
『ぴえーるさん』が僕を見た瞬間に「痩せましたね~」と言われたので、自分で思っている以上に消費していたのだと思う。
食事をしながら大勢で話ができて気持ちも身体もリラックスでき、ゴールに向けてとても良い休憩を取ることができた。
食事休憩が終わり、『ともさん』はマイペースで登ったり写真を撮ったりしたいとのことで別で行動をすることに。
ここからは『ぴえーるさん』と『I.Rくん』が一緒に登ってくれるとのことでしばらく3人で登る時間帯に突入。
先頭に『ぴえーるさん』、真ん中に僕、後ろに『I.Rくん』といった並びで、いろんな話をしながら上り下りを繰り返す。
世代の違う3人なので、こんな機会でなければ一緒に話をしたり自転車で走ったりすることはなかなか無いだけに、「自転車の繋いでくれる縁って本当に凄い」と感じながら楽しい時間を過ごす。
話の話題としては『ぴえーるさん』のエベレスティングに挑戦される話や、Jプロツアーのレースの話、『I.Rくん』の乗っている自転車の話や高校進学についての話など、幅広い内容でこれがまた楽しい。
結局、『I.Rくん』はそこから5本一緒に登り、食事前の2本と合わせて合計で7本一緒に登ってくれた。
中学生なので遅くなりすぎてもいけないため、ぎりぎりまで一緒に走れる時間と言うことで『20:30』まで付き合ってくれた。
別れ際にエールをいただいて、その後は『ぴえーるさん』と二人で登る。
この時点で『102本』が終了していて、残り『10本』まできていた。
休憩を入れずに5本連続で登ったが、ここまでの疲れもありゆっくりのペースでも『ぴえーるさん』に付いていくのがきつくなってくる。
おそらく『200w』少し超えたくらいで登っているが、頑張って何とか付いていける感じ。
ただチャレンジ中でなければかなりゆっくりのペースなのである。『ぴえーるさん』がこれくらいのペースで走ってくれるのだから、ここが頑張り時で残りの本数を考えると何とかなると判断して付いて登る。
そしてそこから2本を登り時刻が『21時』を回ったので、『ぴえーるさん』は一緒に登るのはここまでと言うことで、麓まで下りて一緒にコンビニに寄る。
ここまで『104本』を登り、ダブル達成まで残り『8本』までやってきた。
獲得標高は『16,482m』で、完了まで『1,200m』くらい。
経過時間も『36時間36分』でもうすぐ『40時間』。
コンビニで最後の補給と思って何にするか考えていたら、『ぴえーるさん』がゼリーを持ってきて「これを飲んでください」と言っていただき、精算しようと持っていたカフェオレとパンも一緒にご馳走していただいた。
さらにはご自身用に持っておられたバナナまでいただき、これで残り8本走りきれそう。
ここで補給を取り、話をしながらしばらく休憩を入れる。
そして『ぴえーるさん』からも別れ際にエールをいただきました。2日連続で本当にありがとうございました。
別行動していた『ともさん』が上のほうにおられたので合流しようと105本目を登る。
登っている途中に待っていてくれていて動画を撮ってくださった。
この動画を後でいただき見てみたのだが、「こんなにゆっくり登っていたのか」と言うくらいのペースで登っていてびっくりした。本当にスカスカの状態なのがよく分かった。
1人で登っていると『150w』くらいしか出せてないのでかなりゆっくり。
そこから登りきった後、下りも動画を撮ってくださり、そこから一緒に麓まで下りて少し話をする。
別れ際に写真を撮っていただき、『ともさん』からもエールをいただきお別れをする。
ここからは一人で淡々と登るだけ。
ペースは遅いが確実に1本1本こなしていく。
そして『108本』が完了。獲得標高はついに『17,100m』を越えた。
スタートから『41時間26分』経過して、時刻は『23:07』。
ここにきて眠気が襲ってきたが、残り本数を考えると休憩を挟みながらで何とかしのげそう。
休憩の度にTwitterの応援コメントを読んで元気をいただく。
遅い時間でも応援していただけていることにありがたく思い、再びゴールを目指す。
このあたりで最終的に何本登るかを考えながら登っていた。
普通に考えれば『158m×112本=17,696m』でダブル達成である。
以前のシングル時も初回はルールの解釈があいまいだったので予備で1本追加して『57本』登ったが、2度目はジャスト『56本』で認定をもらえた。
万が一のことを考えて予備の『プラス1本』登るか、はたまた切りの良い『18,000m』オーバーを目指して『プラス2本』登るかと考えたが、結局余力と終わる時間のことを考えて『112本』ジャストで終わることを決める。
そんな感じで『111本』が完了。
時刻は『00:15』で2度目の日を跨ぐ。
そして走行距離が『538㎞』なので、キャノンボール的な距離を走ってきたのだと感慨深く感じる。
最後の1本はこれで終わりなので出し切るつもりで登り始めるも、1分ほど経過したところでそんな力が残っていないことを痛感して、結局ゆっくり確実に登る。
スタート時から切らさず持ち続けたダブルをやり切る気持ちと、途中たくさんの方に背中を押していただきながら、ようやく『112本』を登りきった。
頂上の折り返し地点で写真を撮ってから、スタート地点の中腹にある駐車場まで戻る。
これでようやく本当のゴール。
●ゴールしてから
まずは完了時のサイコンの写真を撮る。
獲得標高は『17,750m』、多少誤差はあるが『17,696m』登りきった。
時刻は『00:35』で、最終の経過時間は『42時間54分』。
自転車を壁に立てかけて初日に着ていたエベレスティングジャージと一緒に報告用の写真を撮る。
そして、一息ついてから地面に座りこみ完了の報告をツイートする。
ゴールの余韻に浸りたいところだが、僕の性格もあり先に片付けをして早く帰れる状態にしたい。
車の中もかなり散らかってしまっているし、楽な格好に着替えもしたいので、まずは片づけと着替えを行う。
車内のゴミ類や自転車関係の道具などササっと片付けてから、着替えをもって公園横のトイレの水場に行く。
帰ってからシャワーを浴びるので簡単に身体の汗を拭いてTシャツとハーフパンツに着替える。
ようやく撤収作業も終わり、あとは家に帰るだけ。
ほぼ丸2日間滞在していた春日野を車で下りながら、外の景色を眺めつつ「やりきったんだな」と小さな達成感を感じた。
帰る途中コンビニに寄り、自分へのご褒美に缶ビールと少しのおつまみを買ってようやく家に到着。
荷物を簡単に片づけて、シャワーを浴びさっぱりして、エベレスティングのチャレンジ完了報告をツイート。
無事に家に到着したので、これにてダブルエベレスティングのチャレンジの完了となります。
●最後に
この後、この時間まで起きていて完了ツイートにコメントをくださった方にお礼の返信をしたりしていました。
Stravaのログもしっかり録れていたので、このログをエベレスティングの申請に上げて無事ダブルの認定をもらうことができました。
次の日も休みではあったが家の用事もあったりでしっかり睡眠はとれていなかったが引き続きTwitterやStravaのコメントに返信をしたりのんびり過ごしました。
後日、ありがたいことに『Strava Japan様』から、ダブルエベレスティングについての取材を受けて公式の『Strava Japan Club』ものとして記事を投稿していただきました。
今回のチャレンジをやり終えて感じたことは、内容にもよるがある程度現実的なものであれば強い気持ちをもってやり切る『覚悟』を持てていれば、達成に近づけると言うことです。
時間に追われる部分が少ないのでファストライド系の難易度と簡単に比較はできないですが、ダブルエベレスティングも事前準備と心構え、あとはチャレンジ中のメンタルの部分が大きいと思います。
だからこそ、チャレンジ中の応援は力になるしそれらは達成に繋がる大きな要因になります。
事前にチャレンジすることを明言することはかなり重要だと思います。
プレッシャーに感じる部分もありますが、強い意志と覚悟に変わるので本気で達成を目指すのであれば間違いなくプラスにはたらきます。
そしてその本気の姿勢に対して多くの方が応援してくれるので大きく後押しをしてくれると感じました。
日本人でのダブルエベレスティング達成者は今回の僕の達成でおそらく3人目です。
世界的にはトリプル達成者もおられるし、さらにはその上もおられます。
日本人でもそろそろトリプル達成者が現れてもおかしくないですし、僕もいまは他のチャレンジでやりたいことがたくさんあるのでしばらくは挑戦する予定はありませんが、気持ちと環境は整えばいつかはトリプルエベレスティングにチャレンジしてみたいです。
最後になりますが、今回のチャレンジもたくさんの方から応援していただけたことで無事に達成することができたと強く感じています。
Twitterのコメントやいいねで何度も応援してくださったり、現地まで来て応援してくださった皆さんに本当にやる気をいただきました。
改めて本当にありがとうございました。
今の時期は暑さが厳しいので、大きなチャレンジは控えていますが、秋に向けてやりたいことがたくさんあります。
しっかり準備をして、次のチャレンジも達成できるように取り組んでまいります。
今回もここまで読んでいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。